鉱山税廃止法案、上院で否決される

労働党、緑の党が反対票投じる

 トニー・アボット保守連合政権は2013年の選挙戦の際に、2014年6月30日までに炭素価格付け制度(通称炭素税)と鉱物資源使用税(通称鉱山税)を廃止すると公約していた。しかし、先週の炭素価格付け廃止法案に続いて3月25日には鉱物資源使用税廃止法案も連邦議会上院で、35票対32票で否決された。

 連邦議会の制度では、3年に一度の総選挙で上院の半数が選挙されるが、即時登院する下院議員に対し、当選上院議員は翌年7月1日から登院することになっている。現在の上院は労働党と緑の党合同で過半数を占めており、2013年総選挙の結果、いくつかの弱小政党が上院に加わることになっており、労働・保守連合の勢力均衡の上に立っていた緑の党の発言権が大きく後退し、弱小政党にも配分されることになる。

 保守連合は、「炭素税、鉱山税廃止が否決されれば両院解散再選挙に訴える」と強腰を続けているが、上院で否決された法案は3か月過ぎなければ再上程できない。両廃止法案を再上程できるのは6月中旬ということになり、上院の勢力比率が変わる7月まで半月しか残っておらず、現実に再選挙はあり得ない。結局、保守連合は、「労働党・緑の党が妨害した」の宣伝材料に使うことだけが目的だったと考えられる。

 上院ではマシアス・コーマン予算相が、「偉大なWA州のために立ち上がるのは誰か。鉱山税支持者はWA州の繁栄を妨げている」と発言した。また、下院のジョー・ホッキー財相は、「鉱山税はまったくの失敗だ」と発言した。鉱物資源使用税は、石炭と鉄鉱石のみに適用され、ごく少数の巨大鉱山会社にしか適用されず、中国などの需要減で打撃を受けているが、それでも企業は大きな利益を挙げている。一部からは、「失敗は、ケビン・ラッド首相の広範な鉱山超利潤税を引っ込め、ジュリア・ギラード首相がごく狭い範囲にしか適用されない鉱物資源使用税を導入したことだ」と評されていた。

 クリス・ボウエン影の財相は、「政府は、鉱物資源使用税廃止で減る財源に対して、復員兵士の子弟に対する援助、学童ボーナス、退職年金補助、中小事業所税制優遇などを廃止しようとしている。WA州の場合、保守連合は33万4,000人の退職年金者に課税しようとしており、積み立てた老後の蓄えを何百万ドルも奪おうとしている」と反対意見を述べている。また、クリスティン・ミルン緑の党上院議員も、「鉱山税廃止法案で誰が利益を受けるのか? オーストラリア国民ではない。鉱山企業の中でも最も利益を得ている企業だけだ。アボット政権は金持ちの味方をする政権であることだけは間違いない」と批判している。(NP)

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