若い国民世代に厳しい2014年予算案

就職難、福祉引き下げ、学費値上げ

 若年者に対する政策を見ればその国の将来が見えると言った人がいる。

 トニー・アボット保守連合連邦政権の2014年予算案は若い国民世代に厳しい内容になっている。若年者の失業率は成人一般の失業率の倍程度とされており、元来、若年労働者の多い小売商業、喫茶店やレストランなどのホスピタリティ部門を除けば若年労働者雇用は減っているとされており、「働きたくとも仕事がない」状況になっている。また、求人で「経験3年」などを要求する経営者も多く、「経験がないから働けないが、働けないから経験を積めない」キャッチ22状態になっている。その一方で、「経験年数」を増やすためにインターンとして無給で働くうちに無給状態から抜け出せなくなった若者の実態と政府の無策が報道されたこともある。

 5月13日の予算案では、アボット連邦政府は、「国民の福祉依存を防ぐため、若年者は働いて稼ぐか、勉学を続けるか、失業手当と引き替えに与えられた仕事に就くことを義務づけられる」政策を組んでいる。2015年1月より、30歳未満の求職者は、失業手当受給開始まで6か月の待機期間を課せられ、受給が始まると6か月にわたり、「Work for the Dole」とする最低週25時間の労働をしなければならない。この「Work for the Dole」制度は、2014年7月から施行され、18歳から30歳までの求職者で12か月以上失業し、手当てを受けていた者は、6か月にわたり、週15時間の労働をしなければならない。

 また、25歳未満の者はNewstart受給資格がなくなり、代わりに給付金額の低いYouth Allowanceを申請しなければならない。この改定で4年間に12億ドルの連邦財政節約になると見積もられている。

 一方、高校を卒業し、勉学を続ける場合も経済的により厳しい事態になる。今でも大学生は家庭が裕福でない限り、生活費を稼ぐためには勉学時間を削らなければならない状態と報道されてきたが、2016年から学費の自由化が始まり、各大学が独自に学費を決めることができるようになる。そうなれば必ず学費が値上げになる。特に医学部などのように学生一人あたりの経費の大きいコースは国庫負担が大きかったが、これが学生負担に移される。ただし、それに応じて学費ローンも引き上げられるが、最終的には学生本人の負担増となる。このローンも政府の借り入れコスト増を反映して利率が引き上げられる。この利率は現行インフレ率の2.9%とされているが、将来的には6%の利率を課することが可能になり、学生は卒業後、年収$50,638以上になれば返済義務が生じる。

 また、7月からは見習い生が4年間で2万ドルまで職業訓練ローンを申請することができる。ただし、労働党政権時代に作られた補助制度「Tools for your Trade」は廃止される。

 保守連合政権は、国内国立大学を国民の高等教育機関から離れて、アメリカやイギリスの私立大学と競争するエリート大学に変えていく方針を決めている。また、労働党政権のMySchoolに似たウエブサイトで各大学間の競争原理を高めることも予定している。(NP)

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