「アボットはコメディアン」年金生活女性

早朝番組でひいばあさんが首相一喝

 5月14日のチャネル10早朝テレビ番組「Wake Up!」で、QLD州のひ孫もいる85歳の女性がトニー・アボット連邦首相を新予算案をめぐって一喝し、話題になっている。

 女性はケビン・ラッド前連邦首相の出身、グリフィス選挙区の住人、ビルマ・ウォードさん。アボット首相は昨年選挙前から、「年金制度には手をつけない」と公約していた上に、ジュリア・ギラード元首相が「私の在任中は炭素税導入はない」と公約した上で、選挙後に「炭素価格付け制度」を導入したことに対して、「嘘つきジュリア」として、炭素価格付け制度の是非よりも「公約を破った」ことを問題にし続け、ギラード政権はそのためにかなりのダメージを被った。

 当時、アボット氏は、「政治家は選挙前に言ったことを選挙後に違えてはならない」と繰り返し発言していたし、「前政権の失策を言い訳にしてはならない」とさえ言っていた。しかし、アボット保守連合政権は、ことあるごとに前労働党政権の「失政」をあげつらい、そればかりか、政治家の常識としてやってはならない「国際的な場で自国前政権を非難する」ことも繰り返している。5月13日の予算案では、「手をつけない」と約束した項目のことごとくに手をつけ、いずれも予算をカットしている。

 ウォードさん、チャネル10の番組では、「アボット首相が、予算案がなぜ公約破りではないかを説明し始めた。生まれてこの方、あんなたわごとを聞いたことがない。どうして年金生活者をほっといてくれないの? ベルトを引き締めようと言うけれど、これ以上引き締めたら息が詰まって死んじまうよ」と言い、アボット氏が、「あなたは保守連合支持者じゃないね」と言うと、「待っておくれ。私が誰に投票しようと関係ないでしょう」と反論している。また、メディアにも、「首相のあの言いぐさにはほんとに腹が立った。私が誰に投票するという問題じゃないでしょう。首相の仕事は高齢者国民がまっとうに暮らせるようにすること、この国を正しく導いていくことでしょう。彼はどちらも完全に不合格よ。十分に大きくって、十分に醜いんだから、批判されて当然よ。でも、彼は笑ってたわ。冗談だと思ったのよね。あたしは冗談なんか言っていないのに。あの男の器量がよく表れているわ。私の言いたいことを認めることもできないし、批判されたことを受け入れることもできない人物よ」と語っている。

 ウォードさんは、「労働党に頼まれてやったのではないか」という批判を否定し、アボット首相が子供の頃にすでに労働党で草の根活動をしており、運輸労組州書記長を務めたこともある夫のレンさんともども政治には無縁ではないが、労働党の政策押しつけを嫌って40年前に脱退し、ラッド氏の選挙運動には関わっても政党には所属していないと語っている。(NP)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る