ジョンソン国防相、中国批判強める

南シナ海の情勢不安定化に

 シンガポールで開かれていたアジア安全保障会議、通称シャングリラ対話で、中国が東シナ海の尖閣列島問題と南シナ海の南沙諸島、西沙諸島などの領有権問題をめぐって周辺国と争い、地域の不安定化をもたらしているとして、チャック・ヘーゲル米国防相が中国を名指して厳しく批判した。また、デビッド・ジョンストン豪国防相も、「中国が周辺海域で周辺諸国との情勢不安定化を引き起こしている」と発言し、ヘーゲル発言を支援している。

 シャングリラ対話でのヘーゲル発言は予想外に厳しい発言と受け止められており、今回の会議では激しい非難のやりとりが交わされただけに、地域の安全保障に対する不安感を示すものと分析されている。

 6月1日、ジョンストン大臣は、シャングリラ対話の場で、「米豪日は、南シナ海や東シナ海における一方的な行動は地域の不安定化をもたらすものとして深く憂慮している」と語り、さらに、「ベトナムやフィリピンも同じように憂慮しており、会議での話し合い全般を通じて述べられていた」としている。ヘーゲル発言も、中国が一方的に地域不安定化をもたらしている、特にベトナム領海に石油リグを設置し、両国の船舶が衝突、ベトナム船が沈没したことなどに言及し、厳しく批判している。

 ヘーゲル発言と同じ考えか?と質問されたジョンストン大臣は、「不安定化をもたらしていると言うことでは考えが一致している。これまでアジア太平洋地域に多大な繁栄をもたらすことができた海域でのこの不安定化は何の根拠もなく、将来の経済的見通しを大きく損ねることになる。そういう意味ではヘーゲル氏の懸念を私も感じている」と述べている。

 さらに、「オーストラリアは、中国に対して、対立や海上でのエスカレーションの危機をもたらさない他の道があることを説得したいと思う。オーストラリアは、中国とその周辺国の間の領土問題ではどちら側につく考えもない。双方が紛争の解決に法治の原則を守るよう要望する」と述べている。

 中国側は、ヘーゲル発言に憤慨し、さらに日本が、「中国との紛争では(ベトナムやフィリピンなど)周辺諸国の安全保障については日本がより大きな役割を果たしたい」と述べたことにも不快感を示しているが、諸国が中国に対してはっきりと対決の姿勢を明らかにしたことは、シャングリラ対話が重要な曲がり角に来たことを示している。(NP)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る