「Dデー記念はさておき投資なら豪に」

アボット首相の奇妙な発言が世界に

 トニー・アボット首相は、ビルマのアウンサンスーチーさんの軟禁生活を自分の野党時代に引き比べるというすさまじい発言で世間を沸かせた。海外の会議で各国首脳や経済界代表者に向けて経済を説き、言葉に重みを持たせるため、労働党前政権を批判して見せた。

 6月2日には、アボット首相がビデオで「Dデー70周年」の演説を行ったが、その言葉と切れ目なく、海外投資家に向けて、オーストラリアはビジネスに開放されているとつなげ、何事もなかったかのようにDデー70周年の話を続けたと報道されている。Dデーとは、第二次世界大戦中、一旦ヨーロッパ大陸から撤退していた連合軍が1944年6月6日にフランスのノルマンディーに上陸した。上陸作戦は多大の犠牲者を出す激戦になったが、その後1年ほどでドイツの降伏を導く大転換点になった。

 6月1日に発表されたビデオは、Dデーが歴史の転換点になったと語り、そのままオーストラリアは海外からの投資を待っている。政府は炭素税と鉱山税の廃止に全力をかけていると語った後、話をDデーに戻した。「アメリカ、カナダ、フランスは長年我が国の友邦だ。Dデーには共に戦い、毎日貿易を行い、共に民主主義に、事業に、人々の自由の権利に献身している」と語った。

 労働党は「アボット氏は首相不適格」と評し、緑の党は「ひどい話」と片付けている。このビデオは人々の注目を浴び、呆れさせたが、その日のうちにビデオのタイトルが「首相メッセージ-Dデー上陸70周年」が、「首相メッセージ-フランス、カナダ、アメリカ訪問」に変えられたが、画像中のタイトルまでは変更できなかった。その後、リンクが途切れたと報道されているが、首相事務所では、「ビデオは削除していない。リンクもつながっているはず」と発表している。

 どこの国の与野党政治家も海外の公式の場で自国の相手党や政策の批判はしないのが礼儀になっている。国際的な公式の場で何度も労働党政策を批判したアボット氏の発言はアボット氏評価につながらなかったはずである。(NP)

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