福祉削減で若年者の生活に影響甚大

50万人が緊急援助求める可能性も

 6月5日、ジョー・ホッキー財相は、「新予算政策で失業手当支給を半年間猶予されて困窮する若年者に対する政府の巨大な安全ネットとして2億3,000万ドルの緊急援助金を用意する」と発表した。

 4日夜の連邦議会上院予算委員会で、失業保険を半年間停止されればその日の食事にもこと欠く30歳未満の人口が50万人を超えることも考えられるとの推定が証言された。社会福祉省は、「そういった人々の食事、光熱水道料金その他の生活必需部門の援助に2億3,000万ドルを用意している」と述べたもので、政府は、「稼ぐか学ぶか」制度として、1年以上失業している者には半年間失業手当を猶予し、仕事を見つけるか学業に入るかのどちらかを選ぶことを促進する政策を発表している。

 しかし、実際には若年者の失業率は国民一般失業率の2倍以上の10数%に達しており、地域によっては20%を超えている。どんなことをしても就職できない人口が必ず出ること、また、半年間の手当て支給を猶予されれば、その日の食事も、また求職活動するための服装や身だしなみも不可能であり、政府の考えているような「支給を停止すればみんな仕事に就くようになる」ことはありえないというのが福祉団体などの最低認めるところである。また、失業手当の代償としてボランティア的な労働に従事する制度も単に「最低賃金以下の奴隷労働」で、結局そこから抜け出せなくなると指摘されている。

 ホッキー財相は、「緊急援助手当ては非政府機関が運営する。誰もこの制度に頼る必要がないことを望んでいる」と発言したが、労働党と緑の党は政府予算案に盛り込まれた若年失業者対策全体に反対票を投じる意図を明らかにしており、ビル・ショーテン労働党党首は、「政府がこのような安全ネット制度を用意しなければならないこと自体、政府の政策が仕事に就けない若年者に対して冷酷であることを政府自らが白状したものだ。この政府はなぜそれほどまでに狭量で国民を分断することに熱心なのか。政府は問題を引き起こした上でそれを解消するためにさらに予算を使うというのはいったいどういうことだ?」と批判している。

 緑の党のレイチェル・シーウォート上院議員も、「結局政府も予算削減で若年者が生活に困窮することをよく承知しているではないか。私はこれまで、ニュースタートの支給で満足している。貧乏生活がいいと言う人に出会ったことがない。誰でもまっとうな仕事をしてまっとうな収入を得たいと願っている。就職の障害になっている問題を取り除くために力を貸すことが政治の役目ではないか」と政府を批判している。

 全国社会福祉協議会(ACOSS)も、「政府は予算案の新若年失業者政策を白紙撤回すべきだ」としている。(NP)

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