アボット首相があわてて訂正指示

環境相のソーラー・パネル補助金発言

 クリストファー・パイン教育相が「ゴンスキ学校予算制度廃止する」と発表した翌日にトニー・アボット連邦首相が「廃止しない」と語り、パイン大臣が急遽「廃止しない」と訂正したことがある。また、パイン教育相とジョー・ホッキー財相が、「大学学費ローン負債は当人が死亡した場合には遺産から取り立てることも検討している」と発言した翌日には、アボット首相が、「死者から取り立てることはしない」と発言し、教育相と財相が訂正した。保守連合政権閣僚も他の議員もメディアに発言する時はアボット首相事務室、特にピータ・クレドリン最高補佐官に届け出、認可を受けなければならないはずだが、大臣が予算案の内容を知らなかったり、政府の方針を知らなかったという「事故」がよく起きている。

 6月14日には、昨年11月、グレッグ・ハント環境相がアボット首相事務室の許可を得ずに、「ソーラー・パネル設置補助金制度に5億ドルの予算を計上している」と公言し、同僚閣僚を驚かせたことが報じられた。ハント大臣は業界代表者の集まりで発言したもので、「保守連合の看板となるソーラー・プログラムは、今後10年間に100万戸の屋根にソーラー・エネルギー・システム設置を目指し、1戸あたり$500の補助金を交付する。これはアボット政権の直接行動政策の輝かしい導きの光だ」と語っている。

 しかし、ハント大臣は、この「輝かしい導きの光」は2010年総選挙戦時のもので、アボット首相も経済関係大臣も認めていないことを知らなかったらしい。アボット首相は聞く人にあわせて様々な色合いの発言をしているが、基本的には気候変動にもその対策にも関心を持っていないことは閣僚の了解事項になっているはずで、2013年総選挙戦ではっきりと政策として発表されていない限り、公式政策ではないことが特別監査委員会から全大臣に通達されていたはずだと報道されている。

 それでもハント大臣は5月予算案が近づく頃も、業界代表に「ソーラー・パネル補助金制度は確か」と言い聞かせていた。しかし、環境省職員は気候変動対策関係の機関やプログラムがすべてつぶされていくのを見ており、楽観はしていなかったと報道されている。結局、アボット首相の指示で、ハント大臣も約束を撤回し、2015年度には「ソーラー・タウン」政策として210万ドルが計上されただけだった。

 ソーラー・パネル業界には、ハント大臣にあきらめの気持ちが強まっていると報道されている。(NP)

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