邦上院、政府の法案2度目の否決

クリーン・エネルギー融資廃止法案

 トニー・アボット保守連合政権が上程した「クリーン・エネルギー金融公社(CEFC)廃止法案」は、保守連合が多数派を占める下院を通過していたが、6月18日、連邦議会上院は、労働党と緑の党合同の多数派が2度目の反対投票を投じてこれを否決した。

 同一法案の2度の否決により、政府は両院同時解散総選挙に訴えることができるようになったが、アボット保守連合支持率はじわじわと下がり続けており、特にアボット首相支持率は過去最低水準に達している。今総選挙に持ち込んだ場合、保守連合が破れる可能性もあるため、同時解散はあり得ないとの観測が強かったが、その観測通り、アボット首相は両院解散総選挙を発動しない。

 CEFCは、労働党政権時代に設立され、10億ドルを超える予算を計上し、再生可能エネルギー技術開発プロジェクトに出資する目的の機関で、廃止法案はこの日35票対28票で否決された。クリスティン・ミルン緑の党党首がアボット首相に挑戦する発言を行い、「総選挙に持ち込んではどうか。私たちは受けて立つ」と語った。しかし、ジュリー・ビショップ外相が、「両院解散総選挙の権限が発生したからといって行使しなければならないというものではない。オーストラリア国民は政権の不安定にうんざりしている。労働党の少なくとも5年間はそういう状態だった」と反論している。

 またジョー・ホッキー財相とマシアス・コーマン予算相は、反対票を投じた2党を批判する発言と来週にも同様の法案を上程する考えを明らかにした。

 また、下院では、グレッグ・ハント環境相が保守連合が掲げている「直接行動政策」法案を提出した。この政策は植林、炭素地中封じ込め、排出量削減技術、失業若年者などを対象とする緑化部隊など複数の政策から成っており、学者もエコノミストも「金ばかりかかって効果が期待できない」と完全に投げ出しているが、保守連合は労働党との対抗上この政策にしがみついている。ただしアボット首相自らが、「予算内で削減量目標が達成できなくとも予算の追加はない」と確言しており、「初めからやる気のないことは明らか」と評する政治家やコメンテータもいる。(NP)

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