パーマー、ゴアと共同記者会見

炭素税廃止、排出権取引支持など

 6月25日、連邦議会の狂言回しといった役どころのクライブ・パーマー連邦下院議員がアメリカのアル・ゴア元副大統領と共同記者会見し、気候変動対策に保守連合でも労働党でもない第三の政策を打ち上げた。

 パーマー氏はQLD州の鉱山富豪で個人としては最大の自由国民党(LNP)献金者とされていたが、保守連合の難民船政策に反対し、「インドネシアの難民希望者を飛行機でオーストラリアに連れて来ればいい」と発言し、メルボルンでトニー・アボット保守連合リーダーと話し合って決裂、LNPを脱党し、連邦下院に出馬すると共にパーマー統一党(PUP)を建党した。7月1日からPUPメンバーが連邦上院で議席を占め、与野党議席バランスの上に立って決定権を握ることになった。

 PUPは、炭素税廃止で消費者電力料金引き下げをアボット政権が保証するなら炭素税廃止法案を支持すると発表していたが、ゴア氏との共同記者会見では、保守連合政権が計画しているクリーン・エネルギー金融公社、再生可能エネルギー目標、気候変動局の廃止には反対する態度を明らかにした。パーマー氏は、「炭素税廃止法案に修正案を出し、電力企業が炭素税廃止によるコスト減をすべて電力使用者に還元することを義務づけるようにする」と語った。ただし、議会立法で企業にそのような強制が可能かどうかは明らかにしなかった。共同記者会見直後にグレッグ・ハント環境相が記者会見し、「炭素税廃止法案支持を歓迎する。電力料金引き下げには応じられる」と語った。

 しかし、パーマー氏はアボット政権の「直接行動計画」については、「金の無駄づかい」として、以前にケビン・ラッド労働党政権が提出し、保守連合と緑の党の2度の反対で廃案になった「排出権取引制度(ETS)」に似た排出権取引制度法案を提出するとして、「ただし、オーストラリアの主な貿易相手国が同じような制度を制定した場合に限る。気候変動は世界的な問題であり、世界的な対策が必要だ」と語った。

 クリスティン・ミルン緑の党党首は、「パーマー氏の発言を歓迎するが、パーマー氏は現行の炭素価格付けが2015年度から排出権取引制度としてヨーロッパの制度と連結されることを理解しているのだろうか? パーマー氏の発言はどうにでも取れるような内容だが、もっとはっきりさせる必要があるのではないか」と語っている。また、労働党は、「パーマー氏の法案が実効性があるかどうかを見ないと評価できない」としている。また、ゴア氏は、ETS案を歓迎するが、現行の炭素税廃止は歓迎できない」と発言している。

 しかし、パーマー氏の信頼性は薄いとする声は依然として大きい。(NP)

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