また政府に不利な調査暫定報告

再生可能エネルギー目標廃止問題

 トニー・アボット保守連合政権は再生可能エネルギー目標(RET)の廃止を計画しているが、そのアボット政府任命のパネルが委託して行わせた調査で、「RETを継続した方が将来的に消費者電力料金は下がる」という、アボット政権にとって都合の悪い結論が出ている。

 もともと、アボット保守連合政権が自画自賛している気候変動「直接行動」計画も科学者だけでなく、エコノミストからもまったく相手にされておらず、アボット氏らの「個人的意地」としか解釈できない固執ぶりであり、RET廃止も現実や実績を無視したイデオロギー的政策と考えられる。

 パネルが調査を委託したACIL Allen社が提出した中間報告によると、RETを維持した場合、2020年までは国民世帯の電力料金は廃止した場合に比べて高くなるが、それ以後は下がり始め、2021年以降は年間平均$56、2030年以降は年間$91低くなる。再生可能エネルギー電力量の全電力需要の30%を目標にした場合、2015年から2020年までは年間$47高くなるが、それ以降は年間$109程度低くなる。

 クリーン・エネルギー会議のラッセル・マーシュ政策部長は、「この分析は、国際的な他の分析調査と一致している。RETを廃止した場合、火力発電のエネルギー源は化石燃料、特にガスに移行し、その値上がりと共に電力料金も上がっていくことになる」と語っている。これに対して、再生可能エネルギー発電は一度建設してしまえば耐用寿命期間中は清掃や修理などのコストがかかるだけで、莫大な燃料コストは不要になる。

 首相内閣官房府は、「この調査は作業の一部。すべての資料と関係方面の意見書を揃えてから建党することになる」と発表している。また、グレッグ・ハント環境相は、「RET見直しの重要点は雇用と投資のバランスを図ること、電力料金押し上げ圧力を取り除くことにある。閣議の決定より先に決定的なことは言えないが、RETを廃止しても電力料金が下がるほどの影響はないと考えられる」と述べている。

 ACIL Allen社が委託を受けた当座、同社が化石燃料業界と近いことから、「でき試合」との批判もあったが、同社が再生可能エネルギー維持を支持する分析調査結果を出したことでアボット保守連合政権があからさまなイデオロギー政策を貫くか、現実路線を取ってRET維持を決めるかが注目される。(NP)

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