「炭素税廃止しても電力料金高止まり」

電力事業者上部団体自らが発表

 トニー・アボット保守連合政権は、「炭素税のために電力料金高騰。炭素税廃止すれば年間$550安くなる」と繰り返しており、QLD州の鉱山富豪で上院議員のクライブ・パーマー氏はパーマー統一党(PUP)上院議員3人が、「電力料金の炭素税廃止を全面消費者に還元することを条件に炭素税廃止を支持する」と発表している。しかし、当の電力事業者上部団体が、「電力事業者はできる限り早く炭素税が廃止されることを期待している。ただし、炭素税が廃止されても電力料金は下がらない」と発表しており、アボット保守連合やPUPの発言とは真っ向から対立しているが、またもや消費者国民が裏切られることもこれまでの経過から大いにあり得る。

 全豪電力供給業者連合会(ESAA)のマシュー・ウォレン理事長は、「連邦上院が炭素税廃止を望むなら迅速に現在の不明確な状況を終わらせることが消費者にとって最善だ」と語っているが、電力料金値下げについては、「電力市場は非常に複雑で何千という電力契約に炭素が関わっており、何百万ドルという金が取引される。そのプロセスを新年度になって何か月何週間何日と計算し直すのは並大抵ではない。上院がすっきりと炭素税のない電力料金に戻したければ、7月最初の週中には炭素税を廃止しなければならない」と語った。一方、全豪競争消費者委員会(ACCC)は、炭素税廃止で正しく消費者に還元されるよう監視するため、追加予算を与えられている。

 ウォレン理事長は、「州、準州、電力使用量など様々な要素があり、消費者がいくら節約できるか見積もることは難しい。しかし、一般には1日の電力料金中の炭素排出価格は20セントから50セント程度のものだ。電力料金が安くなるとすればその程度の額だ」と語っている。また、業界は炭素排出負担として毎日1,100万ドルを集めており、それがまた話を複雑にしている。年度に入って日が経てば経つほど1,100万ドルが積み立てられていくため、払い戻しの計算が大きくなっていく。上院が炭素税を廃止するなら早くすべきだ」と語っている。

 消費者電力問題センターでは、「消費者の長期的利益を考えれば炭素価格付けを維持すべきだ。炭素価格が廃止された場合、その分がすべて消費者に還元されるべきだが、小口電力業者は統制市場ではないため、炭素税廃止分全額が電力料金引き下げになる保証は何もない」と批判している。(NP)

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