「ニューマン政権は民主主義を侮蔑」

QLD腐敗摘発のフィツジェラルド氏発言

 トニー・アボット連邦政権と同じような専横政治が眼につくキャンベル・ニューマン自由国民党政権は、あいまいなバイキー・ギャング取締り法案の条文でオートバイ愛好団体全体が標的になるなど州民に対する厳罰主義政策と裏腹な身内同士のなれ合いでかつてのピーターセンQLD州政権の再来を思わせる。

 ピーターセン政権末期に同政権の腐敗、身内びいき、違法行為を徹底調査し、告発したトニー・フィツジェラルド元判事が「ニューマン政権は、民主主義とグッド・ガバナンスに対する侮蔑をひけらかしている」と手厳しく批判した。

 フィツジェラルド氏は、ニューマン政権が司法を私物化し、バイキー・ギャング取締り法も違憲の疑いや人権に抵触する可能性も批判されながら強行し、また、司法人事でも批判の多いティム・カーモディ氏を首席判事に任命するなどしていることに触れて批判している。同氏は隠退生活を送っており、以前にも「政治的発言を控える」と語っていたが、QLD州の政治に対する発言を求めるメディアの声が多いため、声明を発表してニューマン政権批判を繰り返したもので、一院制の州議会の90%ほどの議席を握る一党独裁的な立場を利用し、立法でも独裁的な政治を行っていると批判する以前からの立場を再確認した。

 また、ルパート・マードック系メディアのニューズ・コーポレーション・オーストラリアが連邦レベルでも州レベルでも露骨にLNPに都合のいい偏向報道を続けていることを批判し、「QLD州は極端に権力の誤用・濫用に陥りやすい土地柄だ。一院制の議会の権力を制限する憲法的な歯止めがまったくないも同然だ。政策対案を提出し、政府の間違いを批判し、権力の横暴を糾弾し、一般世論を反映し、同時に一般世論に訴えることのできる実効性のある議会野党が存在しなければ、民主主義体制に必要なチェック&バランスの機能はまったく働かない」と述べている。

 カーモディ氏はフィツジェラルド調査委員会でフィツジェラルド氏を補佐した経歴があるが、フィツジェラルド氏はカーモディ氏を、「野心が能力を上回る人物は珍しくないが、現在の州権力を握っている誇大妄想家(ニューマン州首相のこと)は、州最高裁のように民主主義体制に不可欠な機関を損ない、司法の独立性にも疑問を引き起こしている。また、犯罪不品行調査委員会(CMC)の委員長も与野党双方の支持を取り付けることなく、政府が一方的に決められるよう変えてしまった」とあからさまに批判している。

 フィツジェラルド氏は、ピーター・ビーティ元労働党QLD州首相就任を批判してNSW州に転居した過去があり、今回の声明でも、「QLD州民は次の選挙で、どの党が州にとってもっとも長期的な害が少ないかを考えて投票すべきだ」と結んでいる。(NP)

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