移民省が難民児童精神障害隠ぺい

国内医師団体も政府に批判の眼

 難民収容所に閉じ込められている難民希望者児童の間で幽閉を原因とする可能性のある精神障害が現れているが、治療にあたった医師らが移民省によって妨害を受け、医療行為も医療倫理も捨てさせられているとの疑惑が持ち上がっている。国内の医師団体がいずれも移民省やスコット・モリソン移民相の隠ぺい工作を厳しく批判し始めている。

 難民希望者児童は本国での戦乱や非人道的行為を目撃し、その後オーストラリア近海にたどり着くまでおびただしい苦労をなめ、収容所では完全に幽閉状態で将来の希望もなく、また大人達が収容所内で自殺、自傷行為に走るのを目撃してきている。しかし、トニー・アボット保守連合政権は、「作戦情報は明かせない」として、事態を完全に国民の眼から隠しており、国民は情報のなさに安穏とする状態が続いている。

 しかし、難民収容所の収容者を診察する医師らの訴えはこれまでのような噂とは異なり、情報の信頼性が高いため、Royal Australian College of General Practitioners (RACGP)、Royal Australian College of Physicians (RACP)、Australian Medical Association (AMA)もこれを取り上げ、保守連合政権と移民省を厳しく批判し始めている。

 7月31日に開かれた入管収容所収容児童問題に対する人権擁護委員会の調査で、ピーター・ヤング医師が、「最近、移民省から、クリスマス島やナウルの入管収容所に収容されている児童や青少年の間で精神衛生問題が大きくなっていることを裏付けるデータを取り消すよう指示を受けている」と証言した。ヤング医師は、7月初めまでの3年間入管収容所の精神医療部長を務めてきた。

 RGCGPのクリスティン・ボイス難民医療部長は、「国内でこのような事件が起きていれば絶対に容認されていないだろう」と大臣と省を非難している。また、RACP会長のニコラス・タリー教授は、「昨年末、連邦政府は収容施設の医療行為を監督する独立諮問機関を廃止しているが、その措置がまったく正当化できない政府の行為だという意見が国内医学部や医師団体の間で強かったが、今回の事件はその意見を裏付けている」と政府を批判している。

 モリソン移民相も、後日人権擁護委員会のこの調査に証人として出席することを承諾しているが、収容所の医療問題に苦情を訴えている医師はヤング医師一人ではなく、何人もが詳しい文書を提出してきている。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-01/doctors-alarmed-by-asylum-kids-treatment-cover-up-claim/5642006

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