NSW自由党補欠選挙に候補立てず

違法政治献金隠し議員軒並み暴露

 元労働党政権閣僚の炭鉱鉱区指定汚職に端を発したNSW州腐敗摘発独立調査委員会(ICAC)の調査は、バリー・オファレル前自由党州首相が3000ドル相当のワインの贈答を受けながら届け出を怠っていたことで辞職、一気に保守連合議員にも飛び火の気配を見せていた。ICACは、与党自由党議員が州法で禁止されている不動産開発業者らの政治献金を様々な手段を使って隠していた疑惑について同党議員を次々と証人喚問し、すでに2人が議員辞職し、他にも何人かが「調査完了まで」自由党籍を停止し、無所属で議員活動を続けている。

 2015年3月には州議会選挙が予定されているが、自由党のアンドリュー・コーンウェル・チャールズタウン選出議員とティム・オウエン・ニューカッスル選出議員の辞職に伴い、両選挙区では補欠選挙が行われることになった。しかし、マイク・ベアード州首相は今回の大量議員不祥事で選挙区有権者の自由党に対する評価が厳しく、候補者を立てても当選は無理と判断、州民に向けて政府を挙げて謝罪するとともに両選挙区に候補者を立てない意図を明らかにした。

 オウエン、コーンウェル両議員はICACの証言席に座り、開発業者から政治資金として現金を受け取っていたことを認め、辞職した。NSW州では、過去に労働党議員が不動産開発業者から政治献金を受け、不正認可などの便宜を図っていた事件が次々と発覚したことで開発業者の政治献金が禁じられている。連邦議会レベルでもICACと同じ権限の機関を設けることを要求する動きは以前からあるが、そのような機関の調査を嫌う保守連合、労働党の反対で実現しない。

 トニー・ナット・NSW州自由党幹事長名で謝罪声明が発表され、「ICACの調査中に次々と不祥事が発覚し、自由党の誠実で遵法的な議員、党員、献金者、党支持者には非常に不愉快な思いをさせた。NSW州民が自由党政権に対して深く落胆し、怒りを感じるのは当然と考える。償いの意として、両選挙区では候補者を立てないことを決定した」と述べている。

 しかし、野党労働党のリンダ・バーニー副党首は冷ややかな反応を示しており、「償いの意とは考えられない。単に白旗を掲げて『選挙民の信頼を踏みにじったことで怒りを買っており、選挙に勝てない』としているだけではないか。両選挙区で候補者を立ててこそ、『有権者の信頼を回復する』意図を示すことになるはずだ」と語っている。

 また、「ベアード州首相は口では謝罪しながら、政治献金した不動産開発業者で現ニューカッスル市長のジェフ・マクロイ氏がICACで違法政治献金しながら届け出なかったことを認めながら、未だに市長の座に居続けていることに何の問題も感じていないらしい」と批判している。一方、マクロイ氏は、「自分は不動産開発申請を出していなかったから不動産開発業者ではなく、従って政治献金そのものは違法行為ではない」と主張している。

 しかし、今後の調査で保守連合、労働党双方の議員の不祥事がまだまだ明るみに出る可能性も大きい。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-17/liberals-give-up-nsw-seats-lost-after-icac-scandal-in-atonement/5676324

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る