「世界のエネルギー政策は石炭外し」

ニューヨーク・サミット目前に国連警告

 トニー・アボット連邦首相は外遊するたびにオーストラリアの地下資源、特に石炭と鉄鉱石への投資を呼びかけてきた。また、他の大臣も国内的に「今後も石炭が安価なエネルギー源の主流の地位を守る」と繰り返してきた。また、安価な石炭を目指して炭素税を廃止し、鉱山税も廃止を主張し、再生エネルギー産業の生命線を断とうとしている。しかし、先日には中国が国内発電業界に向けてオーストラリア産低品位炭の使用禁止を予告しており、また、ニューヨークでの気候変動サミットを前に、国連が、「未来の世界のエネルギー源に石炭は外されていく」と警告した。さらに9月23日にはエネルギー業界の大手、ロックフェラーが、「化石エネルギー産業の投資を縮小していく」と発表した。アボット首相は気候変動サミットには出席せず、ジュリー・ビショップ外相を派遣したにとどまり、アボット政府の気候変動問題に対する疎遠感をうかがわせている。

 国連のクリスチアナ・フィゲレス国連気候変動枠組条約事務局長は、アボット保守連合政権のエネルギー政策に対して、「オーストラリアの今後のエネルギー生産をどの方向に求めていくのかは、当然ながらオーストラリアが決めることではあるが、オーストラリアやオーストラリア国民の長期的利益を慎重に考えてのことだろうかと考えざるを得ない。気候変動の影響の現実性と目前に迫っているローカーボン社会の現実とをよく考えた上で決めてもらいたい」と穏やかながら、アボット保守連合のエネルギー政策を手厳しく批判している。

 9月23日から始まった気候変動サミットにはバラク・オバマ米大統領やデビッド・キャメロン英首相ら、120人を超える各国の首脳が集まり、2009年のコペンハーゲン・サミット以来最大の気候変動会議になる見込みだが、中国、インドなども首脳を派遣せず、オーストラリアもその一つに数えられている。しかし、中国は現在オーストラリアよりはるかに熱心に大気汚染に取り組んでいる。

 また、国連は、石炭業界に対して、「破滅的な地球温暖化を避けるためには石炭埋蔵量の大部分はそのまま地下に残しておくのが賢明だ」と声明しており、また、中国も燃料炭需要は2016年をピークとしてそれ以降は下り坂になると予測されている。そのことからも今からの炭鉱新規開発は控えるべきだとの判断がある。しかし、これまでのアボット保守連合政権のエネルギー政策は世界の大勢に背を向けてきた。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-09-23/unabated-coal-has-no-future-in-energy-mix-un-warns/5761950

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る