教育予算問題で私学偏重の批判

資金を社会経済弱者から強者比重に

 クリストファー・パイン教育相の教育観はかなり強固なエリート主義で少数の大学を世界的にトップクラスにすることを図る一方でその他大勢、特に社会経済的弱者への教育には力も予算も抜くという傾向がある。しかし、国力の向上には底辺を押し上げて平均を高めることが重要だということは今更言うまでもない。明治時代に日本が急速に欧米に追いついていったのは日本の識字率の高さゆえだった。

 連邦政府の教育省が現在行っている学校予算配分見直し作業で、VIC州独立系学校団体が、「社会経済的不利益を受けている生徒の多い学校に予算が重点的に配分される現制度は社会隔離を助長する」として、特別措置を必要とする生徒一人あたり定率の補助金に代えるべきだ」としているが報じられている。

 教育省は特に労働党政権期につくられた低社会経済層(SES)の生徒数に応じて出される「補助金」の見直しを狙いとしている。しかし、この見直し作業では意見書募集が公開されておらず、教育機関は作業班の招きによってのみ意見書を提出することができるが、その招きが大きく私学に偏っていると批判されており、パイン教育省が低SES補助金をカットする計画だとされている。

 補助金そのものは労働党政権が設立した学校予算見直し作業でデビット・ゴンスキ氏らの勧告に基づいて発足した制度で、障害児、英語力不足児童、低SES児童、先住民族児童などの在籍する学校に追加予算を支給するもの。パイン教育相は野党当時からゴンスキ学校予算制度を目の敵にしており、教育相になってから、「ゴンスキ制度廃止」を宣言したが有権者の反発を怖れたトニー・アボット首相が介入し、翌日にはパイン、アボット氏が並んで「制度廃止はしない」と撤回した。

 全国教職員組合(AEU)は、見直しそのものが私学への教育予算に偏重しているとして、意見書提出をボイコットした。AEUでは、「意見書提出を招待されたのは独立系私学が35%、カソリック学校が30%に対して、公立学校は総数で多いにもかかわらず、意見書提出はわずか21%に過ぎなかった」と批判している。(NP)

http://www.smh.com.au/national/education/school-funding-promotes-segregation-says-education-lobby-20141007-10rduw.html

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