「労働党は政府に協力的になれ」

自分の過去を忘れた首相がお説教

 物事を客観的に見ることができない人というのがいる。残念ながらトニー・アボット首相もそういう人柄のようだ。野党保守連合リーダー時代、アボット氏は「ドクター・ノー」と呼ばれていた。政府の政策に何でも反対という態度を評した言葉だった。しかも、「野党は政府を助けるためにあるのではない。反対するためにあるのだ」と広言していた。それなら自分が政権を握った時に野党労働党がまったく同じ態度を取ったところで非難することはできない。物事を客観的に見るとはそういうことだ。

 12月2日朝、テレビ記者会見したアボット首相は、政府の実績を国民に宣伝する予定だった報道されている。しかし、チャネル・ナインの「トゥデイ・ショー」ホストのカール・ステファノビッチ氏の質問攻めにすっかり予定が狂ってしまった。

 アボット首相は、「ビル・ショーテン野党労働党が政府にまったく協力しない。労働党は妨害ばかりしている」と嘆いた。そこで、スタファノビッチ氏が、「野党時代のあなたもかなり妨害ばかりしていたのではないか。ショーテン党首が当時のあなたと同じ行動を取っているのではないか。なぜ、今になって彼があなたに協力しなければならないのか?」と質問した。それに対して、首相は、「労働党が炭素税を導入しようとしていて、炭素税は非常に悪い政策だから阻止しようとしただけだ。ビル・ショーテンはもう一度炭素税を導入するつもりだ」と答えている。

 さらにステファノビッチ氏が、「今の財政は混乱状態ではないか。誰もあなたが売り込んでいる話を買おうとしない。それが問題だ」と詰問した。それに対してアボット首相は、「カール、それ以上言うな。政権が交代した時財政をコントロールできるはずだった。私たちは立て直しに真剣だった」と答えている。

 チャネル・セブンの「サンライズ」では、「私の政権の外交手腕を見てもらいたい。MH17、MH370両航空機事件、海外の戦場に行く国民の問題、ISIL、イスラム国問題などを私の政府は巧みに処理したではないか」と売り込んでいたと報道されている。また、5月予算案でつまづいているジョー・ホッキー財相を擁護し、「彼のポストは安全だ」と請け合った。ただし、政治の世界ではこういう請け合いが出てくる時はすでに危ないというのが普通。

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/tony-abbott-declares-labor-feral-during-morning-tv-blitz-20141201-11y2sl.html

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