財相、多国籍企業の税取り立て不発

利益と経費の移転で納税回避行為

 先頃のG20首脳会議でも多国籍企業の納税回避が議題に上り、対策の必要が言われた。ジョー・ホッキー財相も多国籍企業の納税回避に対して断固とした税制で臨むと約束していたがその約束がすでに破られたと報道されている。

 12月17日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙の報道によると、連邦労働党のアンドリュー・リー影の副財相は、「ジョー・ホッキー財相は、多国籍企業の納税回避問題追及になると口先ばかりでまったく肝っ玉に欠ける」と批評している。

 同紙は、多国籍企業が莫大な利益をオーストラリアから他の世界の子会社に移転することでオーストラリア国内の納税を回避している。同紙によると、2003年に連邦財務省が、「多国籍企業は子会社に負債を抱えさせ、負債の利息をオーストラリアの国税局に控除額として届け出ることでオーストラリアでの納税を回避する手段を取っており、国内企業に対して不当に有利な立場にある。一部の納税者が永続的な手段で納税義務を回避したり、最小化したりをすれば、最終的に他の納税者の税負担が重くなるだけである」と分析している。

 同紙の報道によれば、ジュリア・ギラード前労働党政権は、多国籍企業税最小化の対策の一部として「1997年制定所得税評価法」第25条第90項の税控除項目の廃止を発表した。これが実施されていれば6億ドルの税収増になるはずだった。しかし、ホッキー財相とアーサー・シノディノス副財相が、「労働党のこの措置は、海外に子会社を持つオーストラリア企業に対して不当な負担となる」として、対策全体の実施を破棄した。

 G20では、ホッキー財相は多国籍企業に対する国際的な税回避取締りを唱えていた。しかし、マーチン・プレース喫茶店籠城事件当日に発表された期中経済財政見通し(MYEFO)の第117ページで、保守連合連邦政権は多国籍企業の納税回避に対する対策を行わないことを明らかにした。同紙の報道によると、「連邦政府の決定は外国の多国籍企業を利するが、オーストラリアを本拠とする国際企業の方がさらに有利な納税回避ができる」と分析している。

 野党労働党のアンドリュー・リー影の副財相は、「ホッキー財相は2015年度の財政赤字が拡大する中、海外援助、学校、病院、年金生活者への予算をカットしながら巨大多国籍企業には金を貢いでいる」と批判している。
■ソース
Hockey backflips on tax laws to target multinational profit shifters

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/hockey-backflips-on-tax-laws-to-target-multinational-profit-shifters-20141216-128ebg.html

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