アボット首相事務室の人事も一掃に

コミュニケーション戦略で批判続出に

 政権獲得後1年3か月で内閣改造人事を発表したばかりのトニー・アボット連邦首相だが、首相事務室職員の人事も大きく改造されるものと予想されており、コミュニケーション主任を含め、幹部3人が辞職することになると報道されている。

 報道によれば、アボット政権はコミュニケーション戦略で終始批判を受けており、政権初の5月予算案も非常に不人気で有権者から激しい批判を受けている。さらに、12月18日にはアボット首相のピータ・クレドリン主席補佐官とジェーン・マクミラン・メディア担当主任の間で政府のコミュニケーション戦略をめぐって激しい言い争いがあったといわれている。そのため、マクミラン氏は年末年始の休暇の後、事務室には戻ってこないのではないかと予想されている。

 2人の対立は、フェアファクス・メディアに漏洩された情報で、「アボット首相が週末に内閣改造を計画する」と報道したことに端を発しており、この情報漏洩がアボット首相の不興を招き、辞任したアーサー・シノディノス副財相も公然と批判した。そのようないきさつから、マクミラン氏が解任され、副主席補佐官で政策戦略担当のアンドリュー・ハースト氏がメディア主任に移るのではないかと見られている。

 首相事務室は、フェアファクス・メディアに対して、「マクミラン氏は辞めていない。クリスマス・シーズンに5週間の休暇を取っただけだ」と発表しているが、アボット政権内部情報筋は、「マクミラン氏は戻らない」と伝えている。事実、アボット首相のメディア顧問だったジェームズ・ボイス氏もかつては評判が良かったが休暇を取ったまま首相事務室には戻らなかった事例がある。また、アボット氏の下で10年近く働き続けてきたケート・ラザフォード事務局長も近々辞職するとの見通しが流れている。

 アボット政権はコミュニケーション戦略のまずさで批判を受けてきたが、最近にも$7GP診察料が廃止されるのかどうか閣内でも統一が取れておらず、大臣がおどけて報道陣に「どうなっている?」と尋ねる始末だった。首相事務室から3人がまとめて辞職するのは、クレドリン主席補佐官の権力の増大が保守連合内で批判を呼んでおり、先にもジュリー・ビショップ外相が、「首相事務室の命令には従わない」と発言したとされるなど、齟齬が目立ってきている。そのような状況の中で、アボット首相がクレドリン氏を信任し、クレドリンに反対する職員を解雇することで事務室の統一を図るものと見られる。
■ソース
Tony Abbott set to reshuffle his office amid criticism of communications strategy

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