アボット政権、GP診察料実施断念

「死んだ、埋葬された、火葬された」

 3月3日の連邦議会でトニー・アボット首相は、「GP診察料は死んだ、埋葬され、火葬された」と宣言した。また、閣議ではピーター・ダットン前保健相をたしなめる内容の発言をした。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 GP診察料は、2014年5月予算案発表当時には「GPの診察を受ける度に$7の患者負担で国庫収入を医学研究基金に繰り込む」案が提出された。しかし、診察料案は豪医師会(AMA)にも諮らなかったことから医療専門家の反発が大きく、次には$5に減額されたり、メディケア診療に基づく医師への還付金の減額など二転三転した。結局、AMAや国民の反発はおさまらなかった。

 「死んだ、埋葬され、火葬された」という表現は、ジョン・ハワード保守連合政権が経営者寄りの労使関係法制、「WorkChoices」で勤労国民の反発を受けて2007年選挙で敗れた後、2009年に野党保守連合リーダーになったアボット氏が「WorkChoicesは死んだ、埋葬され、火葬された」と宣言したことがある。

 患者負担については、保守連合はひと頃、「value signal in health」なるスローガンも掲げた。$7から$5に、また2014年12月にはメディア・ブリーフィングで「廃案」と発表された翌日に復活するなどしている。3日の議会の質問時間に、アボット首相は、「よく聞き、学んだ。このような重要な改革では広く協議を重ねることが必要だと知っておくべきだった」と語り、さらに、「首相としては医師と協力して当たるべきだった」としている。

 一方、政府消息筋がフェアファクス系メディアに語ったところによると、アボット首相が閣議において、「GP診察料案を売り込むことに初めから終わりまで失敗してきた」として暗に前保健相だったダットン移民相を批判した。しかし、アボット首相はフェアファクス系メディアのこの報道を否定している。スッサン・レイ新保健相はAMAと協議したが、医師の支持を得られる可能性がないと判断し、廃案を決めたとされている。

 AMAはGP診察料全面廃案を歓迎しており、同時に医師への還付の物価連動凍結を解除するよう要求している。レイ保健相は、今後10年以内に現在の年間200億ドルから340億ドルに膨れあがると試算されているメディケアのコストを抑える構造的な対策を迫られている。
■ソース
GP co-payment fee is ‘dead, buried and cremated’: Tony Abbott

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