「このままでは財政黒字はあり得ない」

世代間報告書:4千万の高齢化社会

 3月5日、保守連合連邦政府は「世代間報告書」を発表した。報告書はオーストラリアの人口を4千万人まで成長する高齢化の進んだ社会と想定し、財政赤字の膨張と医療、高齢者ケア、環境などへの圧力が高まると警告している。

 同日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 政府発表の4冊目の「世代間報告書」は今後40年先までのオーストラリア社会を推定しており、ジョー・ホッキー財相にとっては後10週間で発表する予定の2015年5月予算案もこの報告書の内容をにらみ合わせたものとなることが予想される。

 この報告書の発表では、ホッキー財相は、国民が定年退職を先に延ばすこと、女性ももっと賃金労働市場に入ること、若年者の雇用を促進することなどを強調している。

 想定されている2055年のオーストラリア社会の姿は、人口:3,970万、100歳人口:4万人、新生女児の期待寿命:96.6歳、新生男児の期待寿命:95.1歳、65歳以上の人口1人につき労働年齢人口2.7人、女性の70%が就労、65歳以上の17.3%が就労、国民の平均年収:$117,300などとなっている。

 ただし、40年先までの想定はかなりの不確定要素があり、特に経済が40年間年平均2.8%の成長率を続けると仮定している。また連邦歳入が2008年の世界金融危機以前の水準に回復するのは2021年度としている。また、医療支出は現行の国民一人あたり年$670が2055年には10倍近い年$6,460、GDPの5.5%になるなどの数字をはじき出している。また、高齢者ケアや年金も現行のGDPの2.9%から3.6%に増大するとしている。しかし、障害者サポート年金、家族手当、育児手当、失業手当などは減ると推定されている。

 また、この報告書では初めて前労働党政権の政策下の国家財政の姿も推定し、保守連合政策下の国家財政の数字と比較している。そのため、野党労働党のクリス・ボウエン影の財相は、「この報告書は極端な保守連合政略に利用されており、政策の資料として用いることもできなくなっている。労働党が政権を取れば、世代間報告書編纂の責任を時の政権の力から独立した議会予算局に移す」と批判している。
■ソース
Intergenerational Report: Population projected to near 40 million in ‘ageing boom’

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