メタデータ保管法、上院に回される

緑の党は修正案を用意して待ち受け

 電話、インターネットなどのあらゆる電気通信の送信元・受信先、日時などのデータ、メタデータの2年間保管を通信事業者に義務づける「メタデータ保管法」は与党保守連合と野党労働党の賛成で下院を通過しており、上院でも賛成多数で通過する見込み。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 しかし、ジャーナリスト・ユニオンなどは、この法律では報道が内部告発者などの情報源を秘匿することが難しくなり、政府がメタデータを報道の自由の制限や内部告発者の処罰に利用することになると危機感を明らかにしていた。これに対して、政府は、「報道統制に使うことはない」と反論したが、これまでに政府がジャーナリストの通信のデータの提出を通信事業者に求めていたことが暴露された。また、通信事業者側も4億ドルと推定される2年間のメタデータ保管の経済的負担に不安を表明していた。さらには、「この法案が通らなければ今後犯罪が爆発的に増える」というトニー・アボット首相の発言にも「バカげた発言」との反発が出ていた。

 結局、労働党は「ジャーナリストの電話、インターネット通信の保護条項を盛り込むこと」などを条件に法案を支持した。しかし、緑の党のスコット・ラドラム通信スポークスマンは、「この法案は、受動的大規模監視体制そのものだ。政府が守る義務を負う自由を政府が自ら腐食させようとしている」と批判している。また、多数の修正案を用意しており、保管期間を3か月に短縮することやメタデータを当局が閲覧する場合にも裁判所の令状を必要とすることなどを盛り込む考え。

 これに対して、マルコム・タンブル通信相は、「緑の党の修正案はやり過ぎ。ほとんどの場合、当局は電話の持ち主やユーザーを調べるだけ」と反論している。しかし、クリスティン・ミルン緑の党党首は、「将来、このメタデータがどのように用いられるか、何の保証もない」と語っている。また、デビッド・レヨンヒエルム自由民主党上院議員は、「ペドファイルなどの犯罪者は法の網をくぐるためにはるかに狡猾に立ち回っている。この法案は犯罪検挙をやさしくするどころかむしろ難しくするだけだ。結局、犯罪者ではなく全国民を監視体制の下に置くだけだ。しかもメタデータの量を考えればテロリズムを追跡するのもむしろ困難になるだけだ」と批判している。

 現在はメタデータ保管の経費は3億ドルと見積もられており、全額が税金からまかなわれる。
■ソース
Metadata legislation debate begins in Senate with Greens set to move raft of amendments

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