アボット首相「アイスは疫病」戦い宣言

専門家委員会廃止した首相に懐疑も

 豪海軍兵士数人が覚醒剤のメタンフェタミン、通称「アイス」の乱用で自殺した事件を受け、トニー・アボット保守連合連邦首相が、「アイスは今や疫病」と宣言し、ケン・レイ前VIC州警察長官を起用して、「アイス撲滅タスクフォース」を設立する計画を明らかにした。しかし、ジェフ・ケネット元VIC州首相やアレックス・ウォダック全豪薬物法改革財団会長らはアボット首相の計画の有効性に疑問を表明している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 タスクフォースはレイ氏が長となって、違法薬物のメタンフェタミンの使用、密売、製造、輸入を取り締まる活動で地域、州、連邦を統合し、全国アイス行動戦略を編成し、2015年中期に首相に対して中間報告を提出する。アボット首相はその報告書を政府間協議会(COAG)での協議の資料とすることになっている。また、アボット首相は、「前労働党政権はアイス問題に対して十分な対策を取ってこなかった」と前政権を批判している。また、豪海軍HMASスターリングの水兵数人が自殺した問題について国防省が捜査すると語った。一方、ビル・ショーテン野党労働党党首は、「労働党は政府のタスクフォースを全面的に支持する」と語っている。

 しかし、レイ前VIC州警察長官自身が、「アイスは10年以上も社会問題だった。また、かなり強力な司法権限を使って取り締まってきたが問題を解決できなかった。他の選択肢を考えるべき時だ」と語っている。また、ケネット氏は、「タスクフォースを支持するが、アルコール問題の方が規模が大きいのではないか。酒類広告を禁止するなどの措置を優先すべきではないか」と批判している。また、アレックス・ウォダック全豪薬物法改革財団会長もケネット発言を支持し、「アボット首相が政治的延命のために藁にもすがる思いで何か目立つ政策を打ち出そうしているだけのように思えて仕方がない」と切り捨て、「出回っている薬物は数多くあるのにアイスだけを取り上げることが有効とは思えない。しかも、アボット政権は当選直後に何の明らかな理由もなく全国アルコール・ドラッグ委員会の資金を廃止したではない」と語っている。
■ソース
‘Ice ‘epidemic’: Prime Minister Tony Abbott announces task force to tackle crystal meth ‘menace’

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