ドクター・カール、世代間報告批判

「編成参加したが政府が約束違えた」 

 連邦政府の発表した「世代間報告書」には、ABC放送の科学コメンテータ、カール・クルツェルニスキー博士もその編成に参加し、出演した報告書コマーシャルもテレビで放映されている。しかし、当のドクター・カールは、「報告書は決定的に不備で、政府が政略の具にした」と批判、「報告書編成を始める前に保守連合連邦政府は、報告書が政府と独立した中立なものと約束していたが、できあがって発表された内容は当初とは違っており、内容が不備で、政府の政略の具にされている」と発言している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この報告書は5年ごとに発表され、人口から平均期待寿命、公共支出、将来の財政赤字規模など40年後のオーストラリアの姿を予測するスナップショットになっている。しかし、今回発表された報告書は、気候変動についてはほとんど触れられておらず、発表直後からその点が奇妙と指摘されていた。

 ドクター・カールは、テレビ、ラジオ、新聞、ソーシャル・メディアなどに出演して報告書を宣伝しているが、ABCラジオのAMプログラムに出演し、「特定の政党に偏るのではなく、政略抜き、与野党支持の独立報告書という前提で編成に参加した。報告書と政策資料の違いくらい誰でも分かると思っていた。ところが、発表された報告書は保守連合政府の政策が盛り込まれている。コマーシャル出演を承諾した時も、報告書のごく一部を読んだだけで残りは記事差し止めの段階だった。当初の約束と違って、発表された報告書は非常に政略的で気候変動の影響をほとんど無視している」と語っている。

 また、ABCテレビのニューズ24チャンネルでも、「今後40年間を描きながら気候変動については何も言わないということがありえるか? 気候変動は現実で人間が引き起こし、その結果はひどいことになる。こんなことなら初めから参加するべきではなかった。相手にした保守連合がどんなものか分かっていなかった自分が間違っていた」と語っている。

 また、コマーシャルが流されると、ソーシャル・メディアなどでさんざんな攻撃を受けた。CSIROの科学者の4分の1が解雇されたのも私の責任だというようなことを言われている。しかも、私がどの政党に投票しろと指示していると思っている人もいる。そんなことを言っていないのにとも語っている。

 野党労働党は、「ドクター・カールが世代間報告書から身を引いたのは、ジョー・ホッキー財相の愚昧さを証明するものだ。ホッキーは中立であるべき報告書を政略の道具にしたが、報告書の看板になった人物が報告書を批判する結果になった。ホッキーはこの広告のために税金をいくら使ったのか国民に明らかにすべきだ」と語っている。

 ドクター・カールは、イソップのサソリとカエルの話を引用して、「自分はサソリを信じた愚かなカエルだった。自分を担いでいるカエルも刺さずにはいられないサソリの本性をよく知っているつもりだったが、甘い言葉に乗せられてしまった」と語っている。
■ソース
Dr Karl Kruszelnicki backs away from ‘flawed’, ‘political’ Intergenerational Report
AM

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