気候変動懐疑派センターに政府出資

食い違う大学とパイン教育相の説明

 WA州の大学に気候変動懐疑派の拠点となるセンターを開設するために連邦政府が巨額の金を出す計画が持ち上がっており、保守連合政権のクリストファー・パイン教育相は、「大学の方から提案があった」と説明していたが、大学側は、「政府から話が来た」と証言していることが漏洩文書で明らかになった。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 このセンターは、気候変動そのものは否定しないが、その影響は小さいと唱えているデンマークの社会学者で、コペンハーゲン・コンセンサス・センター所長のビョルン・ロンボルグ氏が主宰するというもの。しかし、自然科学者の間ではロンボルグ氏の意見はほとんど評価されていない。

 漏洩文書によると、ロンボルグ氏の主宰するコンセンサス・センターをWA大学に招くというのがアボット保守連合政権の発案とされている。UWAビジネス・スクールにセンターを創設し、コンセンサス・センターの方法論をオーストラリアに取り込む作業を行うために4年間に400万ドルを連邦政府が出資するというもの。アボット保守連合は、2013年9月に政権を獲得すると直ちに労働党政府の設立した気候変動問題機関をことごとく廃止または予算ゼロ措置を取った。

 一方、UWA側は、センターに金を使う計画はない。連邦政府の予算だけがセンターのコストをまかなうことになっているはずだとしている。しかし、アボット政権はこれまでに、「UWAもセンター経費を分担する。政府はセンター経費の3分の1しか負担しない」と発表している。

 センター設立案が発表されて以来、大学職員らの間で、センターを考え出したのは誰か、予算を決めたのは誰か、どのような意図があるのかなどで憶測が広まっている。パイン教育相のスポークスマンは、「センター案はUWAとロンボルグ博士の組織が提案したもので連邦政府は3分の1ほどを負担する」と発表している。しかし、UWAの法人・政府渉外部長、デビッド・ハリソン氏が学内に配布した情報によると、「UWAには連邦政府から提案が来た。世界的な問題に当大学が寄与できる良いチャンスと考えた」ことになっている。

 ロンボルグ氏は保守連合政権のアンドリュー・ロブ貿易相やジュリー・ビショップ外相らと密接な関係を持っており、ビショップ外相は、ロンボルグ博士を「豪海外援助プログラム」顧問団に任命している。一方、UWAは他の科学研究施設や科学者の予算をばっさり削っており、自然科学界で認められていないロンボルグ博士の団体に400万ドルの予算を計上することには同大学の研究者から批判の声が挙がっている。また、環境問題で有名なティム・フラナリー教授も、「財政を理由に評価の高い学者グループの気候変動専門機関を廃止した政府が科学界で何の信用もないロンボルグ氏に巨額の資金を用意するというのは異様な事態だ」と批判している。
■ソース
Bjorn Lomborg centre: leaked documents cast doubt on Abbott government claims

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る