WA大学、ロンボルグ・センター案撤回

気候変動懐疑団体に批判集中

 連邦政府は、国内大学にデンマークの気候変動懐疑論者、ビョルン・ロンボルグ氏を招いて「コンセンサス・センター」を設置する計画に400万ドルを計上しており、WA大学が名乗りを挙げていた。しかし、WA大学は計画を受け入れたことで批判を浴びており、5月10日、計画受け入れの撤回を発表した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 社会学専攻のロンボルグ氏は気候変動問題で科学界の評価を得ておらず、これまでもデンマーク国内でその著書が科学界と社会学界を巻き込んでの論議を呼んだ。計画案にはWA大学学内や労働党、緑の党から批判が集中していた。そのため、ポール・ジョンソンWA大学副学長が、「センター計画はまったく受け入れがたく、また学者の支持に欠けている」と発表した。計画撤回には学内で「学問の尊厳と良識が勝利した」と評価の声が挙がっている。

 WA大学の学生組合代表は、「学生は、自称懐疑環境論者というロンボルグ(社会学)博士の考えに基づいたセンターの設立は大学の評価に大きなマイナスになることを懸念している。しかも、WA大学と提携している海外の機関からも、センターを作るなら提携を破棄するという苦情が来ており、それが今回の決定に大きく働いたと思う。ロンボルグの方法論や研究評価については問題にしている人々は多い。学内にもロンボルグの著書を悪い科学の例として学生に避けるよう教えている講義もある」と語っている。

 大学が連邦政府に資金を返還すると決めたことに対して、パイン教育相が報道陣に向けて、「大学の決定については法専門家の答申を求める。いずれにせよ他にセンターを受け入れる大学は見つかる」と発言した。また、「WA大学の決定は学問の自由にとって残念な決定」と発言した。これに対して、全国高等教育組合のゲーブ・グッディングWA支部書記長は、「センター反対は思想取締ではない。大学人は学問の水準と大学の尊厳を考えているだけであり、異なる意見を排除すると言うことではない」と反論している。

 労働党の高等教育問題スポークスマン、キム・カー上院議員は、「連邦政府のセンター支持は政略であり、他の大学や研究機関が予算を削減されている時にシンク・タンクに資金を提供するというのは公費乱用にあたる。研究プログラムは教育大臣個人がもてあそぶものではない」と政府を批判している。
■ソース
Students praise UWA for ditching controversial $4m Bjorn Lomborg Consensus Centre think tank

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