保守連合と労働党でRETの妥協成立

再生可能エネルギー投資減退の危惧

 発電エネルギー源を再生可能エネルギーに切り替える目標率(RET)をめぐって与党保守連合と野党労働党が15か月にわたって対立し、保守連合がRETを発表しない事態が続いていた。このほど、ようやく与野党の間で妥協が成立した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 妥協を見た合意によると、以前の目標率では2020年までに再生可能エネルギーによる発電量を年間41,000ギガワット時としなければならなかったが、これを33,000ギガワット時まで引き下げることになった。この妥協でもっとも利益を受けるのは炭鉱や石炭火力発電など従来の温室化ガス排出企業ということになる。

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは、「RET切り下げで、2020年までの再生可能エネルギー部門の投資は60億ドル減になるだろう」と試算している。しかし、再生可能エネルギー部門はすでに2014年にトニー・アボット政権がRET見直しを発表した時から投資が20億ドル激減しており、むしろ与野党の合意ができたことで投資が増えると見ている。

 クリーン・エナジー・カウンシルでは、今後10年間で30件から50件の風力、太陽光発電プロジェクトが完成し、大規模な風力、太陽光発電所だけでも6500人の雇用が生まれる。しかもそのほとんどが郡部、農村部に展開するだろうと語っている。カウンシルでは、「ただし、当初の41,000ギガワット時の目標率のままであれば雇用も9700人程度は見込めた」としている。カウンシルのラッセル・マーシュ政策部長によると、大規模なプロジェクトだけでも40件がすでに認可されている。一部の業者は何週間かのうちに事業を開始できるが、企業立ち上げに何か月もかかる例もあるだろうと語っている。しかし、40件のプロジェクトのほとんどが風力発電であり、ソーラー・カウンシルは、「目標率を引き下げることは短期的に風力発電部門が有利になるだろう。なぜなら、大規模な太陽光発電設備の価格は2018年から2020年にかけてあたりまで大きく下がることは考えられないため、それ以降には風力発電所が目標率を独占してしまうことになるからだ」としている。ただし、ブルームバーグでは、「今後5年間に新設される再生可能エネルギー発電の3分の1程度は太陽光発電になると予想される」と分析している。
■ソース
Coal and home solar the big winners out of deal on renewable energy

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