低所得者につらい2015年「公平」予算

高所得世帯は実質収入拡大

 2015年連邦予算案は、発表直後から「2014年予算案があまりにも不公平だったために公平なように見えるだけ」というコメンテーターも現れたが、新しいモデル化分析でその評価が正しかったということが発表された。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 連邦予算案については、中小事業を支援するという触れ込みで2万ドルまで即時償却などの優遇制度を発表し、保守連合とトニー・アボット首相支持率が急上昇した。中小事業主はもともと保守連合支持の傾向が強いが、これまで失望して離れていた浮動層を引き戻したといわれている。ただし、税制優遇で利益を得るのは実質的には中小事業主の30%程度だともいわれている。

 さらに、2015年予算が低所得者につらい内容と発表したのは「National Centre for Social and Economic Modelling(NATSEM)」で、同予算では子供を持つ最下層所得世帯が実質所得を減らし、高額所得層はむしろ今後4年間に可処分所得を増やす結果になるとの結果が出ている。

 まず、保育費援助も低所得世帯よりも中高所得世帯に有利な内容になっている。子供を持つ低所得世帯(最下位五分位)は今後4年間に可処分所得額が最高7.1%減る。それに対して、子供を持つ最上位五分位の世帯は、2019年度末までに可処分所得が0.2%拡大することになる。NATSEMのベン・フィリップス氏は、「2015年予算案は、今後4年間で180億ドルの支出抑制をするとしているが、昨年予算案の不公平を是正する働きがほとんどない。むしろ、保育援助は中高所得世帯に流れ、低所得世帯にはほとんど行かない。結局、すべて政治政略で、実に巧みに働いたものだ」と評している。

 2015年予算案発表時、ジョー・ホッキー財相は、「この予算は、責任のある、よく考えられ、公平な予算だ。中小事業と家族世帯を支援する予算だ。バランスの取れた予算案になった」と語っていた。一方、ビル・ショーテン労働党党首は、「NATSEMの分析は保守連合政府の予算は表向きと異なり、国民世帯に厳しい負担を強いるものだ」と分析している。今後、よく見れば見るほどこの予算案が不公平で思わぬ罠が仕掛けられていることが分かってくるはずだ」と語っている。(Ratei)
■ソース
NATSEM analysis shows federal budget to hit the poor hardest, while rich benefit“>NATSEM analysis shows federal budget to hit the poor hardest, while rich benefit

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