「公教育に所得審査を導入しない」

パイン教育相が討議資料に否定発言

 国の教育制度を根本的に改革するための保守連合政権の討議資料で、公教育を完全な州・準州の管轄とし、私教育を連邦の管轄に移すなどの案が出されている。その一つとして、子弟を公立学校に送る保護者の所得審査で高所得者には学費を負担させる案が掲載されていることから野党労働党や教育関係者からも批判の声が挙がっていたが、6月22日にはクリストファー・パイン教育相が、「保守連合政権は所得審査案を採らない」と発表した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この討議資料では、他には学校予算などで連邦政府の関わりを減らすことや公私含めて学校予算の大半を連邦政府が出資することなども選択肢として挙げられている。

 同日、パイン教育相は、「公立学校に子供を送る裕福な保護者に所得に応じて学費を請求するというのは当保守連合政権の支持する案ではない。州、準州が公立学校に通う子弟の裕福な保護者に学費を徴収するというのなら、それは州、準州の決定事項だ。連邦政府は所得審査を支持しない。家庭が豊かであろうと貧しかろうと公立学校の学費を大きく引き上げることはしない」意図を明らかにした。

 また、ジョー・ホッキー財相も、「所得審査はあり得ない。学校は州が運営しており、連邦政府が関わる問題ではない」と発言、アボット首相も同じように、「生徒の保護者が公立学校にどう貢献するかは州、準州が決めることだ」と語っている。しかし、それならなぜこの問題が連邦政府の緑書(討議資料)に含まれていたのかは明らかにしていない。緑書は白書(報告書)と異なり、いくらでも書き換えることができ、野党や国民の批判が強ければ、翻すことができる。

 野党労働党のマーク・バトラー教育スポークスマンは、「公教育は国民の権利であり、この基本を変えることはどんな正当化もできない」と語っている。また、VIC州政府のジェームズ・マーリノ教育相も、「提案について説明を聞いたが公教育無料制度は取引材料ではない。連邦政府はゴンスキ協定に基づく義務を逃れることはできない。そういうことをすればVIC州の公教育は何十億ドルもの予算減になる」と語り、QLD州政府のケート・ジョーンズ教育相も、「連邦政府の公教育改革はゴンスキ学校改革の廃止に他ならない。QLD州民が受け入れるとは考えられない」と語っている。ペニー・ライト緑の党上院議員は、「この討議資料の内容はめちゃくちゃだ。アボット政権は公立学校に行く200万人の生徒を見捨てるつもりか」と批判している。
■ソース
Christopher Pyne rejects proposal in Government discussion paper to means-test public schooling

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