タスマニアン・デビル2頭交通事故死

長年かけた顔面腫瘍免疫獲得個体

 タスマニアン・デビルの間で蔓延した「デビル顔面腫瘍性疾患」は、デビル同士のケンカの噛み傷などからがん細胞そのものが個体間で広がるまれな疾患で、この疾患のためにタスマニアのデビル個体数は著しく減少、このままでは絶滅すると危惧されている。そのため、健康な個体を大陸本土各地の飼育場に隔離し、繁殖させて子供世代の健康な個体を増やす試みが行われてきた。ようやく、9月25日、健康な個体20頭がタスマニア島に放されたが、そのうち2頭がすでに交通事故で死亡したと報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 これまで、健康な個体は、デビルの棲息しないタスマニア州南東部のマリア島でのみ放されていた。9月25日には、飼育中に生まれた健康な個体20頭をロンセストン北西のナラウンタプ国立公園に放し、地域に生息している野生のデビルとの接触を試みた。

 しかし、9月28日になって、「タスマニアン・デビル救助プログラム(STDP)が、ビーコンズフィールド付近でデビルの死体発見の知らせを受けた。また、29日にはナラウンタプ国立公園南で2頭目の死体が発見された。州環境省職員が死体を調べた結果、2頭の負傷が自動車によって受ける負傷と一致することを確かめた。

 STDPのデビッド・ペンバートン・マネージャは、「野生に放して早々に2頭も失って大きな打撃だ。この2頭の死は、絶滅危惧種のデビルにとって道路がどれほど脅威になっているかを示すものだ。デビルはしばしば道路ではねられた動物の死体をあさる習性がある。しかも日の入りから日の出までの時間帯にはデビルは非常に見えにくいという問題がある」と語っている。

 STDPではデビルのワクチン試験を続けるとしており、国立公園野生局とSTDPの人員が地域のパトロールを増やし、動物の死骸を速やかに道路から取り除き、デビルが道路の近くに出てこないようにすると発表している。
■ソース
Two of 20 immunised Tasmanian devils released into wild killed on road days after re-introduction

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