「炭塵でグレート・バリア・リーフのサンゴ、魚類、海藻も打撃」

石炭運搬船のリーフ海域航行の是非めぐる調査の報告書

 QLD州タウンズビルの海洋科学機関の研究で、高濃度の炭塵が海水に混じった場合、2週間以内にサンゴ虫が死滅することを突き止めた。サンゴが死滅すれば魚類や海藻の繁殖にも大きな打撃になる。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 Australian Institute of Marine Science(AIMS、オーストラリア海洋科学研究所)の研究者の研究報告で述べられているこの結果から、現在行われているように石炭バルク運搬船が世界自然遺産にも指定されているグレート・バリア・リーフ海洋国立公園を航行する是非が問われている。

 研究グループは、実験室で海水中に濃度を変えて微細な炭塵を混ぜ、その海水中の海洋生物の反応を調べた。

 カスリン・ベリー研究員は、「低濃度であればサンゴ虫は4週間後にそのほとんどが死滅した。また、炭塵は海藻や魚を死滅させることはしないが、清浄な海水に比べるとその成長が半分くらいに遅れる」と述べている。

 2010年に中国のバルク船「神能1号」がグラッドストン沖のリーフで座礁し、6万トンを超える石炭が船上にあった。アンドリュー・ネグリ博士は、「炭塵が大量にサンゴ礁や海藻繁殖海域にこぼれることはまずあり得ないが、起きた場合にどうなるかということが明らかになってきた」と述べている。また、同研究所では、世界中の石炭運搬方法をより安全にする手がかりになるだろうとしている。

 Queensland Resources Councilのマイケル・ロシュCEOは、「業界もグレート・バリア・リーフの長期的な健康には関心があり、その保護に向けた新しい研究を歓迎するが、その海域は世界でももっとも規制が厳しく、保護の行き届いた海域だ。島大陸のオーストラリアは商品をどこに輸出するにも海上輸送に頼らざるを得ない。だからこそ、REEFVTSのような高効率の監視システムを信じている。このシステムが常時海域の海空航行を監視している」と語っている。

 この研究は、AIMとARC Centre of Excellence for Coral Reef Studiesとの協同で実施され、論文は、「Nature Scientific Reports」に掲載されている。
■ソース
Coal dust kills coral, reduces growth of fish and seagrass, study shows

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