毎年回遊で姿を見せる白子ザトウクジラをめぐって論争

ミガルーか、その子供か、それとも全く別のクジラか

 何年か前に初めて目撃され、「ミガルー」と名付けられたオスのザトウクジラは珍しい色素欠乏症の白子で、その姿が目立つことから、毎年、オーストラリア大陸東海岸沖合いを北上・南下する度に報道されてきた。

 今年も7月にNSW州北部海岸沖合いで海面から跳ね上がる姿を写真家のクレーグ・ペリーさんが写真に収めているが、クジラ専門家の間では、このクジラをミガルーとするか、その息子とするか、まったく別の個体とするかで論争が起きている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ペリーさん以外にも、7月26日午前10時頃、バイロン・ベイの北で数人の見物人が白いザトウクジラを目撃している。やはり写真家でクジラ・ファンのアリソン・リードさんもこれがミガルーだと考えており、「あの背びれには見覚えがある」と語っている。

 しかし、シーワールドのトレバー・ロング海洋科学部長は、「私はツイード・コーストの沖合いでザトウクジラの調査に時間を使ったことがある。そのクジラは2004年に初めて目撃され、『ミガルーの息子』とされたクジラだ。ミガルーより小型だし、ミガルーのような日焼けがない。ザトウクジラの白い皮膚もやや黄みがかっているものだが、この個体はミガルーほど黄色くなっていない。ただし、ミガルーの息子が本当にミガルーの子供かどうかも分かっていない。メディアがそう名付けただけだ。この個体は8mか9m程度だが、ミガルーは12mか13mほどある」と反論している。

 2015年にも、ロング部長が、ゴールド・コースト・シーウエイ付近で目撃したクジラをミガルーの息子としていたが、サザン・クロス大学とオセアニア・プロジェクト研究者のウォリー・フランクリン博士は、それをミガルーだとしている。フランクリン博士は1992年に初めてミガルーを目撃したその人である。

 フランクリン博士は、「クジラの個体を判別するには尾を見るのが一番だ。ザトウクジラは尾の外側にぎざぎざがあり、これは指紋のようなものだ。また皮膚の黄色は皮膚の日焼け損傷ではなく、南氷洋のケイ藻類が皮膚にこびりついたもので、暖かい海に行くと消えていく」と述べている。
■ソース
Great white whale debate: Was it Migaloo, Son of Migaloo or another white humpback?

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