新科学担当相、CSIROの気候変動研究復活を指示

「一旦中断された研究は元には戻らない」と科学者

 2013年の連邦総選挙で政権を握ったトニー・アボット前保守連合政権は、省名から科学を落とした。さらに、2015年9月の政変で首相の座を継いだマルコム・タンブル現保守連合首相は、アボット時代の政策を引き継ぎ、連邦科学産業研究機構(CSIRO)の気候変動研究グループを廃止し、担当科学者も配置換えや解雇で分散した。

 8月4日、復活した科学を担当するグレッグ・ハント元環境相は、CSIROの気候変動研究グループを再興するよう指示した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 しかし、国内トップクラスの気候学者らは、「CSIROに再び気候科学を重点にしろという新指示も、先の大量解雇で破壊された研究を元通りにすることはできない」と語っている。TAS州ホバートで開かれた「気候変動がオーストラリアに及ぼす影響」に関する会議に集まった気候学者らも、研究をつぶしたり、再興したりという政府の変化に戸惑っており、CSIROを解雇された275人の科学者の一人で現在はCSIROフェローとして在籍するジョン・チャーチ博士は、「失われたものを取り戻すことはできないが、正しい方向への第一歩ではある。気候科学はCSIROの気候研究グループ解体以前からプレッシャーがあり、手一杯の状態だった」と語っている。

 また、TAS大学の極地科学者、マット・キング氏は、「チャーチ博士は取り替えの利かない重要な科学者。集まった科学者は、ハント大臣の指示の真意をはかりかねており、困惑、失望、立腹、不満が交錯している」と語っている。

 しかし、オーストラリア国立大学(ANU)の熱帯極地気候研究者のネリリー・アブラム博士のように、「政府が気候科学を再び優先課題に戻したことは喜ばしい。科学者解雇でこうむった損失を少しでも是正するよう望む」と語っている。

 CSIROの海洋学者、スティーブ・リントウル博士が、今年4月に発表され、ホバートにできる新しい気候科学センターの長に任命されている。
■ソース
CSIRO’s renewed climate change focus will not reverse damage done by job cuts: scientists

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