NSW州政府、コシウスコ国立公園の野生馬駆除を表明

6,000頭を600頭に、馬愛護派は断固反対の構え

 8月7日、NSW州政府のマーク・スピークマン環境相は、「コシウスコ国立公園の野生化馬の繁殖は野放しの状態で高山帯生態系を破壊している。この事態に対処する」と約束した。スノーイー・マウンテンからこの地域にかけての野生化馬問題では以前から原生の生態系保護を求める自然保護派と馬愛護派との間で対立が続いており、今度も動物愛護派や乗馬に心情的愛着を持つ牧場関係者からの反対が続く見込み。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 大臣は、「ここでなくても、オーストラリアのあちこちで野生馬を育てることができる。私が環境相を務めている時期にコシウスコ国立公園が破壊され続けることを黙視することはできない。断固、措置を取るつもりだ」と語っており、計画草案では、今後20年をかけて推定6,000頭の野生馬を600頭まで90%削減することになっている。これに対して、野生馬保護派、Snowy Mountains Bush Users groupのピーター・コクラン氏は、「野生馬はオーストラリアの文化イメージの一部。どんなことがあっても守らなければならない」と発言、Victorian Brumby Associationのコリーン・オブライエン氏は、「野生馬が野性味をもって走っているのはちょっと他にはない。山岳高地に野生馬の群が走っている光景は魔法のよう。政府の計画は、コシウスコの私達の野生馬の弔いの鐘になる」と語っている。

 ヘリコプターからのライフル射撃は否定され、報告書では地上からの射撃を勧めている。スピークマン大臣は、「練達の射撃手であれば、馬の頭蓋に銃弾を射ち込み、8秒から9秒で死亡させることができる。苦痛はきわめて小さい」と語っている。また、RSPCAのデビッド・オショネシー主任検査官も地上からのプロの射撃手による射殺がもっとも人道的と賛成している。しかし、コクラン氏は、「野生馬保護派で現在提案されている計画を支持するものはいない」と批判している。

 国立公園野生局(NPWS)は、他の野生化した動物同様、野生馬が山岳高地の湿地や沼地を破壊し、絶滅を危惧される在来種生物を脅かしていると語っている。また、オーストラリア国立大学のグレアム・ワーボイズ氏も、「野生馬保護派は問題を理解していない。山岳高地は重要な河川の集水域であり、そこが汚されることはアデレードまでの河川の何百万人という人々の生活に悪影響がある。また、生態系を野生馬に脅かされている在来種動物はこの山岳高地にしか棲息していない動物だ」と語っている。

 オブライエン氏は、「山岳高地の生態系は健康であり、野生馬がその健康に貢献している」と語っているが、スピークマン大臣は、「科学者グループは、野生馬がこの地域の生態系に何の益もないと報告している」と真っ向から対立している。
■ソース
Kosciuszko: Minister vows to stop Snowy Mountain brumbies doing more damage to national park

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