石綿被害中皮腫患者延命の治療法確立間近

アデレードのフリンダース大学研究者が発表

 SA州アデレードのフリンダース大学の研究者が、石綿被害による中皮腫の独特な成長の仕方を突き止めた。この成果は中皮腫のより優れた治療法開発への道を開く可能性がある。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同大学の研究チームは、悪性中皮腫が血管に変身することで、自らの成長を促進する能力を備えていることを突き止めた。

 Sonja Klebe准教授は、「この腫瘍は、外部で血管がつくられていくのを待つのではなく、腫瘍細胞そのものが一部枝分かれして血管になり、周囲の組織に伸び、本来の脈管構造に接続することができる。これまでのがん治療法は、腫瘍内部に伸びていく外部の血管を治療標的にしており、逆は考えていなかった。この発見から、将来的ながん治療法は、腫瘍に栄養分を送る血管を飢え死にさせることを目的にするものになるだろうと思う」と述べている。

 石綿被害による悪性中皮腫で毎週12人ほどの人が亡くなっている。この疾患は石綿にさらされることによって引き起こされ、患者発生率でオーストラリアは世界でも有数の高さである。Klebe准教授は、「中皮腫発病の早期発見が難しいことから、近い将来にこの疾患の治療が可能になることは考えられない。しかし、中皮腫患者の生活の質にあまり影響させずに患者の生存率を改善することは近い将来に可能になると思う」と述べている。

 石綿はオーストラリアでは2003年に完全禁止になったが、建材としていまだにあらゆるところに残っている。また、今でも石綿の混じった製品が違法に輸入され、建物などに使われている。2016年にはAsbestos Safety and Eradication Agencyが、「海外で石綿が完全に禁止されることが重要なステップだ」と語った。

 中国やインドネシアなどの国ではいまも石綿が盛んに使われている。
■ソース
Treatments to prolong life for mesothelioma patients closer, Flinders University researcher says

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る