第一次世界大戦中の消毒剤がスーパーバグ対策に

メルボルンの医学研究所の研究チームが発表

 メルボルン市南東部にある医学研究所の研究チームは、第一次世界大戦中に戦傷者の傷口治療に用いられたが50年以上も使われなくなっていた消毒剤が耐性菌やウイルスの感染を防ぐ可能性を報告した。

 Hudson Institute of Medical Researchの研究チームは、この第一次世界大戦中に用いられたアクリフラビンと呼ばれる物質で措置しておいた患者では抗ウイルス免疫反応が起こり、一般感冒を防ぐことを突き止めた。

 このアクリフラビンという物質はコールタールから抽出されるもので、ウイルス感染も防ぎ、細菌感染を治療することもできる。また、マイケル・ガンティア博士は、「このアクリフラビンは兵士の負傷や睡眠病の治療に用いられた。この研究は長年あったものを転用する試みだが、私達はその使い方を忘れていた。ペニシリンが発見されるとすっかりかえりみられなくなったが、その抗生物質への耐性を持った菌が増えたためにカムバックした。製造コストも低く、営利製薬会社ならつくろうとはしないだろう」と述べている。

 また、ガンティア博士は、「抗ウイルス機能を持った分子はたくさんある。緑茶や赤ワインの抽出物などにも含まれている。また、アクリフラビンには二重効果がある。一つには抗菌効果だが、もう一つには人体の免疫反応を引き起こし、人体を守る効果だ。感染してから治すのではなく、感染を防ぐ効果がある」と述べている。

 ただし、アクリフラビンは目下研究中であり、まだ、臨床試験段階にはない。それでも、「この薬を試すことは創薬よりも簡単ではないか」と述べており、インターネットで1900年代初頭からの研究文献を読むことができる、20年前にはこのような研究ははるかに難しかっただろうとも述べている。

 時代と共に、効果が弱いなどの理由で使われなくなった医薬も多いが、そういう医薬はよく研究されているので掘り起こすこともいい考えだと思う」と述べている。
■ソース
Antiseptic used in WWI could hold key to treating superbugs, viral infections, Melbourne researchers say

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