「妊娠中の抗生物質投与で子供の感染症増加」

メルボルンの小児病研究機関の研究結果

 オーストラリアの新しい研究で、母体が妊娠中に抗生物質投与を受けると、子供が感染症で入院する確率が20%高まるという結果が出ている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ロイヤル小児病院およびメルボルン大学とのつながりが強いマードック小児研究所のデビッド・バーグナー教授が行ったこの研究では、デンマークの1997年から2009年までの75万例を超える妊娠のデータを調べており、妊娠中の母体が抗生物質を使った記録とその子供が感染症で入院した記録を照合した。

 同教授は、「妊娠中に抗生物質を使った母親の子供は感染症で入院する率が20%ほど高くなるという結果が出た。また投与量が増えるほど、また出産間近になるほど、抗生物質の影響が大きくなることも明らかになった。さらに女児より男児に影響が大きく、帝王切開より経膣分娩の方が影響が大きいが、子供への影響は児童期を通じて大きいままだった」と述べている。

 ただし、研究チームは、研究結果は慎重に解釈しなければならず、「妊娠女性に抗生物質を摂るべきではないとはいわない。気をつけなければならないとしかいえない」としている。ただし、なぜ母体の抗生物質が子供の感染症リスクを高めるのかはまだよく分かっていない。抗生物質が母体の腸内細菌叢の構成に影響するためかも知れない」と述べている。

 また、経膣分娩でリスクが高まる理由も分娩時に新生児が母体の細菌にさらされる結果かも知れないとしている。

 豪医師会(AMA)会長で産科医のマイケル・ギャノン医師は、「抗生物質が必要な時には妊婦でも処方するしかないが、抗生物質が母親の細菌構成を変えることは十分に考えられる」と語っている。

 この論文は、オクスフォード大学のInternational Journal of Epidemiologyに掲載されている。
■ソース
Babies’ infection risk higher if pregnant mums take antibiotics, according to new research

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