年間5000人の死亡患者を出す敗血症

誤診で見逃されやすい免疫低下時の感染症

 ABC放送(電子版)は、オーストラリアで年間5000人が亡くなる敗血症の事実を紹介している。

 生後14か月のヘイドン・オシェイちゃんの場合、熱を出し、母親のティファニーさんがそのまま寝させた。「6時半に様子を見て、さらに7時半に様子を見に行った。ヘイドンが私を見上げたから、『寝なさい』と言った。8時半に様子を見に行くと、ヘイドンはうつぶせになっていた。変な姿勢だと思ったから仰向けにさせたけれど何の反応もなかった。口の周りが青くて、普通じゃなかった。一生にあんな悪夢は見ることがないと思う。死者を見てショックを受けないことはないと思うけれど、それが自分の幼い子供だったら地獄の思いだ。どうしていいか分からず、揺すぶったけれど何の反応もしなかった」と語っている。

 オーストラリアは敗血症の緊急性を見くびっている。国内でこの病気のために2時間に1人以上が亡くなっている。

 敗血症は身体の免疫系が感染に過剰反応し、組織や器官に損傷を与えてしまう恐ろしい疾患だが、40%の人が聞いたこともないと答えている。

 ABC放送の時事番組「7.30」に出演したサイモン・フィンファー教授は、「敗血症の難しいところは初期の症状がインフルエンザに似ていること。敗血症が進行すると、脈拍が高まり、呼吸が苦しくなり、昏睡や錯乱が始まり、体温が上がるかまた下がることがある。治療としてはできるだけ早く抗生物質を投与することで、早ければ早いほど治療効果も上がる。フィンファー教授は、「抗生物質投与が1時間遅れるごとに死亡率が4%から8%上昇する」と語っている。

 また、年間18,000人以上が感染し、5,000人が亡くなるこの疾患に対して、医師は緊急を要するということに気づいていないと語っている。

 フィンファー教授ら医療関係者は、George Institute for Global Healthとの協力で、敗血症根絶のための緊急国民行動を呼びかけている。フィンファー教授は、「世界のいくつもの国で治療活動をしたことがあり、オーストラリアは世界でも有数の優れた医療制度がある。ところがこの疾患に関しては遅れている。敗血症の初期に病院に来た患者の話をよく聞く。インフルエンザか軽い感染症のように見えるため、そのまま家に帰されるが、特定の症状が悪化すればすぐに病院に戻ってくることという指示を与えるべきなのにそれができていない。敗血症死は防げる。必要な時に直ちに治療しないために長期的な医療問題になってしまう」と語っている。
■ソース
Sepsis: The silent killer that takes 5,000 Australian lives each year

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