ルーカス・ハイツ研究用原子炉で運転停止事故

医療用放射性同位体の供給に障害

 シドニー南部のルーカス・ハイツ地区にある研究用原子炉で故障が発生したため、大勢の患者の画像診断が停止する可能性が出てきた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 オーストラリア国内の原子炉はルーカス・ハイツにあるこの研究用施設のみで、ここでは病院や企業の注文に応じて医療用、工業用などの放射性同位体として、半減期が6時間ほどのテクネチウム99mを週に1万回分などをつくっているが、6月22日、施設内のコンベヤー・システムが故障し、作業が停止した。

 このテクネチウム99mは、放射性映像法で用いるもので、心臓、肺、筋骨格疾患、がんその他の疾患のスキャン診断に欠かせないツールになっている。

 原子炉を運営するANSTOでは、「エンジニアが設備の修理のために週末も作業をしていたが、まだ直接コンベヤーをの修理をすることができない」と発表している。また、修理完了までの具体的な日程は示しておらず、「できる限り速やかに」と述べるにとどまっている。

 また、「コンベヤーは完全に遮蔽されており、職員や周辺住民には安全問題はまったく起きていない。放射線医療への影響は医療機関にどれだけの備蓄があるかということにかかっている」と述べるにとどまっている。

 医療用原子炉は世界にも11箇所しかなく、そのため、ANSTOでは、テクネチウム99mの原料となる大量の親核種をアメリカの研究用原子炉に送り、そこで最終工程を行わせており、ANSTOではアメリカから医療用同位体が届き次第、国内の病院に配送する。

 Royal Australasian College of Surgeonsのドクター・ルース・ボラードは、「同位体が不足する事態になれば、がんなど緊急を要する患者が優先することになる」と語っている。

 かつてルーカス・ハイツの原子炉施設が稼働し始めてすぐさま、新原子炉の中で固定装置から外れた燃料のウラニウム板が故障の原因になり、何か月も同位体生産が停止したため、海外から取り寄せる結果になったことがある。

 来週にはアメリカから製品の同位体が届くと予想されている。
■ソース
Breakdown at Lucas Heights nuclear reactor in Sydney sparks fears of medical supplies shortage

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