職員6人のグレート・バリア・リーフ財団に4億ドルの金

環境研究機関の入札競争もなくいきなり巨額援助

 グレート・バリア・リーフは白化や大陸から流れ出す水による水質汚染で危機が言われているが、マルコム・タンブル保守連合連邦政権は、グレート・バリア・リーフの健康を回復するためとして、リオ・ティント社やピーボディ社など地下資源、石炭国際企業、カンタス社など大手企業をスポンサーに持ちながら職員はわずか6人という団体に4億4,400万ドルの寄付を決定した。

 決定はすでに野党労働党や緑の党などから「異常な決定」の批判が出ており、タンブル首相は、「やましいことは何もない。透明な手続きで進めた」としているが、この団体は政府に資金を求めていなかったと伝えられており、またグレート・バリア・リーフに関わっていた科学機関や環境・自然保護団体にも入札の誘いもなかったとしている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2018年4月、タンブル政権は、グレート・バリア・リーフ財団のリーフの健康を改善するプロジェクトに寄付すると発表していたが、同財団は6人の職員を抱えるのみで、ABCラジオ放送に出演したアナ・マースデン理事長も、「巨額の資金はまったく寝耳に水」と語っている。

 民間財団に4億4,400万ドルの寄付というのはオーストラリアの歴史上最大の金額で、労働党は、「なぜリーフ関連機関間の入札競争がなかったのか?」と追及している。

 タンブル首相は、「これはグレート・バリア・リーフの健康を維持するための素晴らしい投資だ」と弁護しているが、労働党のトニー・バーク環境スポークスマンは、「なぜ、その資金を連邦科学産業研究機構(CSIRO)や環境省、グレート・バリア・リーフ海洋公園局に出資しなかったのか?」と追及し、キム・カー労働党上院議員も、「政府の科学機関は長年にわたりリーフの研究を通じてリーフのダメージを軽減する対策を探ってきた。しかし、この寄付の協定はそのような科学機関を完全に無視している」と批判している。

 連邦議会上院調査委員会が政府のこの寄付について調査を始めている。

 財団は、BHP、シェル、カンタス、リオ・ティント、ピーボディ・エナジーなど地下資源、化石エネルギー関係企業がスポンサーになっている。
■ソース
Malcolm Turnbull defends surprise $444 million Government donation to tiny reef body

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