気候変動の作物への影響は予想以上

国際的合同研究で新たな予測

 トニー・アボット首相は、「旱魃とブッシュファイアは以前からオーストラリアにつきもの。地球温暖化のせいではない」と発言したことがあるが、自然現象ではあれ、現代の気温がすでに高いために旱魃とブッシュファイアが起きるのであり、地球温暖化が進めばさらに悪化する可能性があるということを理解していない非科学的な発言といえる。しかし、科学者は研究結果を発表できるが、それを基礎にして政策を作るのは政治家である。

 オーストラリア、コロンビア、アメリカ、イギリスの研究者が合同で行った新しい研究で、予想気候変動をあてはめた場合、世界の作物収穫量はこれまでの推定を大幅に下回ることが示された。

 研究論文共同著者で連邦科学産業研究機構(CSIRO)所属のマーク・ハウデン氏は、「小麦、トウモロコシ、米の収穫量は気温が摂氏1度上昇するごとに5%前後減るという推定値になった。気温がさらに上昇するにつれて収穫量も大きく減ることになる。また、熱帯地域の収穫量減少率は温帯よりも激しいという数字が出ている。これまで考えられていた以上に悪い結果になるようだ。数年前には、もう少し暖かくなっても悪影響は出ないだろうと思われていたが、突出値はもっと早く来そうだ。農業部門は、世界的な食糧難に備えて気候変動に対応する措置を考えるべきだ。農業経営方法の変更、作物種の変更、あるいは農地の移転など様々な対応策が考えられる」と述べている。

 この研究結果は、「Nature Climate Change」誌に掲載される予定。(NP)

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