TAS産アワビにヘルペス感染防止効果

血液ヘモシアニンに抗ウイルス特性

 TAS産のアカアワビの血液、ヘモシアニンを構成するタンパク質にヘルペス・ウイルスを抑制する特性があるのではないかと研究者が期待している。

 事の発端は、アワビ加工に従事していた人が長年悩んでいたウイルス性のイボがいつの間にか消えてしまったことに気づき、研究者に通報したことから。イカ・タコ、貝類の血液は魚、鳥、ほ乳類などのヘモグロビンと異なり、ヘモシアニンと呼ばれて無色またはうす青色をしている。ヘモグロビンはタンパク質が鉄原子1個を取り込んでおり、ヘモシアニンは銅原始1個を取り込んでいる。研究の結果、このタンパク質にヘルペス・ウィルスが細胞に入り込むことを阻害する特性があるらしいことが分かってきた。

 シドニー大学その他の研究機関と共同研究を進めているマリン・バイオテクノロジーズ・オーストラリアのエイドリアン・カスバートソン氏は、「当初、免疫サポート・サプリメントを開発するつもりでいたがそれだけでないことが分かってきた。がん治療に関連してアワビの血清を使っていたところ、患者から口唇ヘルペスが快癒したとの報告があった。ヘルペスの医薬は対症療法がほとんどだがアワビの抗ウイルス特性は予防にも使えるはず」と語っている。

 シドニー大学のファリバ・デーガン教授は、「アワビのヘモシアニンには単純ヘルペス・ウイルス感染を阻害する特性がある。このウイルスは感染すると神経細胞に入り込み、そこで時機が来るまで潜んでいる。時期が来ると神経系を伝って広がり、水ぶくれや潰瘍を引き起こす。通常の医薬では発症を抑えても、ウイルスを退治することはできない。これが成功すればウイルスを根絶することも可能になる」と語っている。

 カスバートソン氏は、「この発見で医薬開発が成功すれば、TAS州のアワビ産業にとっても莫大な付加価値が生まれることになる」と期待している。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-20/chance-abalone-discovery-leads-to-herpes-treatment-hope/5683294

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