「世界家族会議参加取りやめ」要求

大臣、米基教原理主義者会議出席

 8月30日、主にアメリカの反中絶、反同性愛などを掲げるキリスト教原理主義者の主宰する「世界家族会議」がメルボルンで開かれることになっている。しかし、この会議に参加する学者らは、「妊娠中絶が乳がんの原因」など、すでに医学界で否定されている説をいまだに唱えるなどしており、言論の自由以前に多くの女性の生命を危険に陥れかねないとしてオーストラリアの医療関係者は反対しているが、この会議に保守連合でも右派の閣僚が会議開会の挨拶をする予定になっている。連邦政府の閣僚が女性の健康に関わるような非科学的な会議の看板になることには厳しい批判が挙がっている。

 保守連合のエリック・アベツ氏はメディアに質問されて、「中絶が乳がんの原因という説もある」と発言し、医師団体などの批判を浴びた。また、ケビン・アンドリューズ大臣が開会の挨拶をすることになっている。アンドリューズ大臣は、ジョン・ハワード保守連合政権時代に、QLD州の病院に勤務していたインド人医師をイギリスのテロリズム容疑者の親戚ということで逮捕し、裁判所が医師を釈放すると直ちにビザを取り消して国外追放するなどの措置を取り、後に連邦政府は国税から巨額の賠償金を同医師に支払わなければならなくなった。アンドリューズ氏はその責任をいっさい取っておらず、アボット政権で社会保障担当大臣に任命されている。

 8月28日、連邦議会上院は、大臣らに対して、同会議出席を取りやめるよう要求する動議を可決した。アンドリューズ大臣事務室では、「同会議は家族問題会議であり、大臣の管掌だ」と大臣の会議参加を弁護している。

 会議では、米の乳がん専門外科医、アンジェラ・ランフランチ博士が講演するが、ランフランチ博士自身がすでに学界で否定されている「中絶乳がん原因説」を唱えており、事実上アメリカのキリスト教原理主義者の団体。ラリッサ・ウォーターズ緑の党上院議員は、「大臣が会議開会宣言することは、世界家族会議の偏見と偏狭な考えに正統性を与えようとするもの。アボット政権閣僚の旧弊な社会観は現代オーストラリア社会全体とは大きくかけ離れている」と語っている。

 チャネル10に出演したアベツ大臣が、「中絶と乳がんに関連があるという学説は1950年代からある」と発言したが、ブライアン・アウラー豪医師会会長が、「これまでに国際的な研究が何度も行われており、中絶が乳がんの原因になるという説は完全に否定されている。1950年代の否定された学説に今更市民権を与えるようなことは許されない」とアベツ大臣に反駁している。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-28/federal-ministers-urged-to-boycott-controversial-conference/5703242

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