「タスマニアン・デビルを大陸に解放」

科学者グループが再定着実験を提案

 タスマニアン・デビルの祖先はゴンドワナ大陸時代に現在の南米大陸から渡ってきたと推定されており、さらにかつてはオーストラリア大陸にもいたことが確定されている。大陸のタスマニアン・デビルが絶滅した原因としてディンゴが天敵と考えられている。TAS島にはディンゴはいない。近年、タスマニアン・デビルの間でウイルス性の顔面腫瘍が蔓延している。この動物はすべての個体が同じDNAを持つクローン的な動物のため、抵抗力のある個体が生き残るという望みがない。そのため、健全な個体を隔離繁殖させる試みが行われてきた。

 一方で大陸ではウサギ、ネコ、キツネなど移入種の動物が害獣化しており、特にネコ、キツネは肉食動物でもあり、部の在来種の動物が絶滅の危機に瀕している。そのため、大陸でウイルスを持たない健全なタスマニアン・デビルを繁殖させた上で柵で囲った地域に解放する案が出されている。VIC州政府はウイルソンズ・プロモントリー国立公園に放し、野生のネコ、キツネと在来種動物との生態系的平衡を回復する考えを明らかにしている。

 野生ネコはオーストラリア大陸に100年以上棲み着いているが、哺乳動物学者のティム・フラナリー教授は、「毒餌の仕掛けでキツネの数は激減したが、そのためにこれまで隠されていた野良ネコが害獣として大きく浮かび上がってきた。その対策として、在来種の食物連鎖中上位の天敵を再定着させることで環境管理することが世界的に新しい対策として受け入れられてきている。

 連邦科学産業研究機構(CSIRO)の調査で、オーストラリアにはおよそ1,500万匹の野良ネコがいると推定され、オーストラリアの在来動物の脅威とされている。そのため、このまま放置すれば在来動物63種が絶滅するとの推定もある。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-10-12/tas-devils-to-prey-on-feral-cats-holder/5806242

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