光の進路を曲げる暗黒物質を確認

天文学者チーム、星の爆発観測で

 ハブル宇宙望遠鏡を使った天文学者チームが、「星の爆発の同じ光景が異なる時期に観測された。これは暗黒物質が光の進路を曲げることを証明する現象だ」と発表した。チーム・メンバーの一人、オーストラリア国立大学(ANU)のブラッド・タッカー博士が研究報告を行った。

 3月6日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 国際的な天文学者チームの研究では、超新星(スーパーノバ)の爆発が複数回、異なる位置に観測されており、これは超新星とハブルの間にある銀河系のクラスターと暗黒物質の重力が光の進路をねじ曲げたことで光が地球に届くまでの時間差が生まれたために起きた現象としている。

 タッカー博士は、「4つの画像の光の時間的変化を比較すると、同じ光源であることがはっきりする。つまり、同じ事象の像ということになる。また、この現象は、重力が光を曲げ、いわば凸レンズの役割を果たすとするアルバート・アインシュタインの相対性理論の予測と一致する」と述べている。

 この研究報告の筆頭著者、カリフォルニア州のパトリック・ケリー博士は、今回の発見とはまったく別の研究でいくつかの画像を調べていたが、ふと「この4枚の画像にはおかしなところがある」と気づいて、チーム・メンバーと話し合った。その結果、「これこそ、アインシュタインが予測した現象ではないか」ということになった。

 タッカー博士は、「同じ現象が4度、異なる時に異なる位置に現れたことは宇宙にどれほどの暗黒物質が存在するのか測ることができるのではないか。暗黒物質は均一に存在するものではない。ある空間にかたまって存在し、他の空間にはまったく存在しないということもありえる。この写真から暗黒物質の構成が明らかになるかも知れない。この爆発は4回だけでなく、もっと何度も地球から見えたのかも知れないし、来年には天空の他の位置に現れるかも知れない」と述べている。

 この研究論文は、アインシュタインの一般相対性理論100周年記念のScienceジャーナルに掲載された。
■ソース
Space research: Exploding star provides hint on how dark matter warps light in the universe

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