日本の大学との協力で天体観測気球

アリススプリングスからロングリーチまで

 5月12日午前6時半、アリススプリングスで、「メルボルン・クリケット・グラウンド」大の天体観測気球が打ち上げられた。5年前にも同様の気球がアリススプリングスで打ち上げられたが風にあおられて地上を流され、積み荷の観測機器を壊し、自動車にぶつかるなどして何百万ドルもの資金を費やした実験が失敗に終わった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 今回は、日本の名古屋大学と神戸大学との協力で800kgの天体観測機器を積み込み、早朝にアリススプリングスから2時間半かけて高度35kmまで上昇し、夕暮れにQLD州のロングリーチに着陸する予定になっている。

 今回の実験は、地球から1000光年彼方にあるベラ・パルサー星と呼ばれる中性子星で、この星は巨大恒星の末期で質量は太陽ほどありながら直径は太陽の140万kmに比べて20kmほどしかなく、極端に圧縮されている。また、1秒間に11回以上という速さで自転しており、ヘリコプターのローターより速い回転速度を保っている。この星は磁気の軸と自転軸がずれているためにパルス状の電磁波の一種、ガンマ線を出している。今回の実験はこの中性子星からのガンマ線を測定する試みで、NASAによれば、高速で回転する星の核から回転軸に沿って光の速さの70%という速さで粒子が飛び出している。その星が放出するガンマ線のエネルギーと到着時間を測定する。

 研究チームは飛行機でロングリーチに飛び、そこからヘリコプターで着陸した気球を探し、陸路でロングリーチを経由してシドニーで記録を分析する手はずになっている。同チームでは、「来年はフランスの宇宙局も参加する大事業になる可能性もある」としており、また、「機器は低温をたもっていなければならない上に、宇宙からのガンマ線を測定する都合上、一旦地上に降りた観測機器を高空を飛ぶ飛行機で運ぶことはできない。
■ソース
Huge research balloon launched in Alice Springs to observe neutron star Vela Pulsar

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