アダム・グッズ、アデレードとの試合欠場

ブーイング受け続けるアボリジニ選手

 AFLの人気選手であり、アボリジニとして人種差別問題にも積極的に発言し、「今年のオーストラリア国民」にも選ばれたことのあるアダム・グッズ選手は、出場する度に相手チーム・ファンから「ブーイング」を受け続けてきた。AFLもようやく本腰で人種差別的ブーイングに対応し始めているが、7月29日には、グッズがフットボール引退を考えていると報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 29日には、右派ラジオ・パーソナリティのアラン・ジョーンズ氏が、「グッズは被害者を売り物にしている。グッズをサルと呼んだ13歳の女子に本気になって責めたことをファンは忘れていない。アボリジニ選手は大勢いるのにどうしてグッズだけがブーイングされるのか考えてみろ」と発言しており、これまでにもアンドリュー・ボルト、ミランダ・ディバイン、ポール・シーハンらいずれも右派系コメンテータがグッズ批判を展開してきた。

 シドニー・スワンズのグッズ選手は、28日の練習も休んでおり、29日になってスワンズのアンドリュー・アイアランドCEOが、「グッズは8月1日のアデレード戦も欠場する」と発表した。また、同チームのアンドリュー・プリダム会長も、「しつこいブーイングのために先住民族選手のリーダー格がスポーツ界を引退することになれば非常に残念なことだ」と声明している。特に7月26日のスビアコ・オーバルでの対ウエスト・コースト戦ではグッズは相手チームのファンから激しい罵声を浴びせられており、AFL全体としても放置できないレベルになっている。同時に、ブーイングを人種差別としてみるか、単に個人攻撃としてみるかで評価が分かれている。また、フェアファクス・メディアは、グッズの引退動機がブーイングだけでなく、チーム・メイトに対する観客の態度に嫌気を感じていることも挙げている。

 プリダム会長は、「観客の態度は極端なイジメであり、群集心理だ。それが選手達にも影響し始めている。相手チーム・ファンの行為でグッズが引退しなければならなくなるような事態は避けたい。チーム選手は団結してグッズを支持している」と語っている。

 また、AFL選手協会(AFLPA)もグッズ支持を公表した。NT選出ノバ・ペリス労働党上院議員は、「グッズに対するブーイングは、グッズが先住民族問題で発言しているからだ」として、スポーツ・ファンの人種差別意識に触れている。

 右派コメンテータの発言とは正反対に、スポーツ界、ファン、政治家などからはグッズを支持し、ブーイングを批判する発言も集まっており、ケビン・ラッド前連邦首相は、「先住民族に対する差別の歴史を国家的に謝罪してから7年が過ぎて、未だにアダム・グッズに対して人種差別行為が現れてくるというのはおぞましい限りだ」とツイートしている。
■ソース
Adam Goodes to sit out weekend’s fixture against Adelaide Crows, encouraged by Sydney Swans not to retire from AFL because of booing controversy

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