エセンドンFC、反ドーピング機関に挑戦

連邦裁にASADA通告取消要求訴訟

 国内反スポーツ・ドーピング機関「ASADA」はスポーツ選手にとって恐ろしい存在になっている。身に覚えがあればもとより、たとえ身に覚えがなくても、口に入れた食物や薬品に規制薬物が混じっていないとも限らない。たとえ、後で嫌疑が晴れたとしても、世間は先に流れた情報の方を憶えており、訂正情報は眼につかないものだ。

 VIC州のエセンドン・フットボール・クラブが、同クラブの元・現役双方の選手34人にASADAから原因説明通告があったことで、ASADAを相手取り、連邦裁に通告取り消しを求める訴えを起こした。

 ASADAは、16か月の調査の後、34人が禁止薬物を使用していたと判断し、通告を出したもので、これに対して、ポール・リトル・エセンドン会長は、「ASADAの通告発行は権限外。クラブ理事会は、クラブ選手の名誉と生活を守るため、裁判で争う他選択肢はないと判断した。ASADA法によれば、ASADAには共同調査する権限もなければ能力もない。私たちが正しいと信じているが、私たちが正しければ、裁判所はASADAの調査に無効の宣言をするだろう。我々は、調査で集められた資料すべての使用の永久的差し止めを請求する。我々はASADAの威嚇に屈しないし、選手が生計の道を断たれることを断じて見逃すわけにはいかない」と語っている。

 選手は10日以内にASADAに対して、ドーピング行為をしていないことを立証するか、通告に対して法的対抗措置を取るかしなければならない。対抗措置が取られた場合、ASADAが、選手に禁止薬物使用があったことを立証しなければならない。選手が有罪とされた場合、最低2年間の出場停止措置が科せられる。ただし、知らずに禁止薬物を摂取したことを立証できれば処罰も50%減じることができる。

 リトル会長は、原因説明通告の内容と、通告が一般社会に知れ渡る経緯に対しても批判を行い、「通告がメディアで報道されても、選手個人にとって重大な嫌疑の証拠も具体的事実も何も添えられていない。そもそもASADAの手続きは初めから問題を含んでおり、自然的正義が不可能になっている。クラブは選手の法的対抗措置を全面的に支援し、選手がフットボールに専念できるようにする」と発表している。

 一方、職務停止措置を受けたジェームズ・ハード・エセンドン・コーチも、リトル会長とは別にASADAを相手取って連邦裁に訴えている。

 また、ASADAのベン・マクデビット委員長は、「選手がASADAに協力するなら不利益を受けることはない」と発表している。また、AFLは2013年に同クラブのサプリメント・スキャンダルでクラブを制裁しているが、今回の通告問題については裁判の成り行き待ちとなる。また、ジョン・フェイ国際反ドーピング局(WADA)は、「クラブが訴訟で勝つことは疑問だ。ヨーロッパでも時折選手が訴訟を起こすことがあるが、1件でも選手が勝ったことはないはず」と語っている。また、リチャード・イングス元ASADA委員長は、「現行システムは膨れあがって複雑になりすぎた。改革が必要だ」と語っている。(NP)

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