焼身自殺図った難民認定希望青年8時間鎮痛剤なしで放置

満足な治療もないままブリスベンへの移送も遅れ、病院で死亡

 4月27日、ナウルの豪領外難民収容センターに収容されていたイラン人難民認定希望者、オミド・マソウマリさん(23)が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の視察団が訪問している収容所内で自分に火を点けて焼身自殺を図った。オミドさんは2日後の29日に移送先のブリスベンの病院で死亡した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 オミドさんはUNHCR視察団の面前で焼身自殺を図り、視察団は警察を呼んだが、まったく助けようともせず逃げていた。センターの医師らもオミドさんを手当てするだけの医療用品を持っていなかったと証言されている。また、オミドさんの妻ナナさんは、「事件後2時間、センターの医療室に2時間にわたり放置され、その後8時間、モルヒネも与えられずにのたうち回っていた」と証言している。

 さらに、オーストラリア本土からナウルまでは6時間の飛行だが、医療空輸チームがナウルに到着したのは事件後24時間経過してからだった。

 さらに、先週にはオミドさんがナウルの医療室で苦痛にうめき声を挙げているビデオが現れ、ナウルの収容センターでの治療に疑問が浮かび上がっている。ナナさんは、オミドさんの治療が遅れている間、「Doctors for Refugees」のバリ・ファターフォド医師に、夫の治療について懸念を伝えた。ファターフォド医師は、「領外収容センターに収容されている人々はオーストラリア国内の収容所と同じ治療を受けている、という説明がウソだということを示している。オミドさんのように体表の80%から90%をヤケドしている患者がヤケドから何時間も過ぎて苦痛にうめきながら病院内を走る回るなどということがオーストラリア国内であり得るだろうか?」と語っている。また、オミドさんの空輸が24時間遅れ、ファターフォド医師は、「ブリスベンの病院に収容された時にはすでに容体が急激に悪化していた」と語っている。

 ABC放送はこのような疑問を報道し、一方、豪移民省の、「事件後直ちに行動を起こした」との説明、ナウルの収容センターでクリニックを運営している医療会社、航空救急を運営しているケアフライトのいずれも回答を拒否していると伝えている。

 オミドさんとナナさんはナウルの収容センターに3年間収容されていると伝えられている。
■ソース
Omid Masoumali, refugee who died after setting himself on fire, ‘suffered without medical care’

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る