オーストラリア人家族、スコットランドから強制退去間近

生活の本拠移し、同情的住民の請願もむなしく

 スコットランドに移り、そのまま定住するつもりだったオーストラリア人の家族がイギリスの厳しいビザ条件に阻まれ、同情的な住民の請願署名も集めたがついにイギリス政府の意思を動かすことはできなかった。万策尽きて間もなく強制退去を言い渡される見通し。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2011年、キャスリン、グレッグさんと息子のラクラン君のブレイン一家は、ブリスベンの住宅その他を売り払い、スコットランドのハイランズ地域のディングウォールに住み着いた。当時はキャスリンさんの学生ビザだった。

 当時、一家は、ブレインさんの学生ビザが切れても、ハイランズ地域への移住を促進するスコットランド・プログラムでそのまま居続けることができると信じていた。しかし、一家がイギリスに住み続けることを認めた2年間の学業後ビザがイギリス政府によってキャンセルされ、とどまるためには仕事を見つけなければならないことになった。しかも、仕事を見つけても、雇用主には手続きや経費の負担がかかることになる。

 ビザが切れた後も、移民相から「猶予期間」を与えられ、その間に労働ビザ発給の条件になる雇用を確保することが求められた。いくつか雇用見込みもあったが、スコットランド史と考古学の専門家であるキャスリンさんの仕事口はついに見つからなかった。そのまま8月1日24時をもって猶予期間も過ぎた。

 一家は、弁護士と相談し、また地元選出のイアン・ブラックフォード議員とも面会した。その結果、7月31日にはブラックフォード議員が移民相宛に信書を送り、「学業後労働ビザを遡及的に廃止したのはイギリス政府であり、そのためにこの問題がひいき起こされてしまった。そのため、この一家にビザ申請の権利を再度与えることはイギリス政府の義務である。また、移民相としての貴殿の権限である。また、ハイランズ地域の人口停滞あるいは減少を抑えるためには、若い家族がその地域に定住することが求められている。であれば、そのハイランズ出身者の末裔がハイランズに定住することを妨げるというのは容易に受け入れられることもでもなければ許されることでもない」と述べている。

 ブラックフォード議員は、18世紀から19世紀にかけて、スコットランドの高地地域であるハイランズのスコットランド人住民を強制的に、またしばしば暴力的にその居住地から追放したイギリスの歴史についても触れ、家族にさらに猶予を与えるよう請願している。

 しかし、内務省報道官は、「ビザ申請には移民省規則の要求条件を満たしていなければならない」と発表している。また、猶予期間経過に伴い、一家が自発的に国外に退去することが求められており、一家が拒否した場合には強制退去もやむをえない結果になる。
■ソース
Australian family fails to win reprieve and faces deportation from Britain

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